読者の方から現金比率に関するご質問を頂きましたので、以下について述べます。
- 投資における現金比率・判断材料について
なお、後述しますが私は現在すこし比率が増えています。
現金比率の目安・判断材料
はじめまして。いつも記事を読んで勉強させて頂いております。当方、歯科勤務医しつつ、配当金を増やし、徐々に働く日数を減らしていこうと目論んでいます。
現在のポートフォリオは、日本株15%・海外高配当株25%・投資信託15%・米ドル建て社債40%・現金5% になっております。総資産は3800万円ほどです。
1つ目の質問は、現金ポジションについて。三菱サラリーマンさんは現金ポジションはどの程度なのでしょうか?下がったら買う投資法ではないのと、給与と配当金があるのでほぼ現金では持っていないのでしょうか?
2つ目の質問は、(以下略)
ご質問ありがとうございます。2つ目の質問は別途回答申し上げます。
まず、現金比率の目安とされているもので参考になる値は以下2つあります。
現金比率の目安現金比率=年齢
20歳:現金比率20%
30歳:現金比率30%
40歳:現金比率40%
または、「現金比率=年齢ー20 ~ 年齢」という考えもあります。
いずれにしても若年期の方がリスク許容度を高く取れるということですね。
一般的に子女の教育費や諸々の費用は年齢と共に高まりますし、若年期は人生の残存期間が長い(=働ける期間が長い)ので、仮に景気サイクルの底に突入してもその後取り返せる公算が高い、というのもありますね。
逆に70歳の時に相場が長期低迷すると、低迷している間に人生の幕が下りるかもしれませんので、「現金比率は高めに」というのも納得できます。
個人的な現金比率。判断材料はキャッシュフロー。
私の場合はその時々にもよりますが、会社員時代の現金比率は概ね3〜10%台程度でした。一般的な目安とは大きくかい離しています。分母を金融資産ではなく純資産に変えると、比率は更に下がります。
ただ、これはあくまで「定期的なキャッシュフローがあること」が前提になります。ご質問者さんが仰る通り、給与や配当等の副収入があれば現金比率の許容される下限は下がります。
仮に私が「セミリタイアをし、副収入や配当などのキャッシュフローが十分でない」状況ならば、現金比率は20%以上にしたり債券比率を増やすなど、より保守的になるでしょう。
なぜ定期的なキャッシュフローがあると現金比率の許容下限が下がるか
理由はひとえに、「定期的なキャッシュフローがあれば、株式市場の調整局面・暴落時などに買い増しできる余資が目に見えて確保できるから」です。
キャッシュフローがあれば買い増す原資は常に生み出されるため、現金比率が低くとも買い増し余資の確保が可能です。
市場と向き合う時に、どのような局面が一番自分にとってストレス・負荷がかかるのかというのは自身で把握されておくと良いのですけども、私の場合は「相場が低迷している時に買い増す原資がない」ことにストレスを感じます。
なので、そのストレスを極力生まないようにした結果が、「配当所得などキャッシュフローがあれば、現金比率を下げる」というセミリタイア以前の方針でした。
尚、「相場低迷時に買い増せなかった」というような投資全般におけるストレスは「後悔」という形で波及する可能性が大いにあります。
この「後悔」は厄介で、冷静さを奪い、狼狽的な取引に繋がりかねない感情の1種と思います。
「あぁあの時こうしておけばよかった…」→「もったいない…、もったいない…」→「この機会損失を埋めたい」→「もうええわ、これ買ってまえ!」という形。
で、こういった行動って、経験上はあまり良い結果を生まないです。
こういった循環を起こさないためには、機械的に「毎月一定額」、あるいは「収入の一定割合」を定期的に投資していくというのが一案です。
セミリタイア後の現金比率
尚、セミリタイア後やアーリーリタイア後、老後となるとやはり現金比率は引き上げてもよいと思います。
私もセミリタイア直後はMMFを積み上げる形で現金比率を増やしていました。コロナショックで大きく買い増したので、今は下がっています。
8月現在、コロナショック後のセンチメントが上向きであるため、また現金比率が徐々に上がってきています。
一方である程度の配当金という定期的なキャッシュフローがあれば、そこまで比率を上げないことも一案ではあります。
なぜなら、その配当金自体が買い増し原資になるからです。これはやはり配当金という計算しやすい定期的なキャッシュフローの利点と思います。
投資における現金比率まとめ
特に、「定期的なキャッシュフローの有無」や「家族構成や支出状況」等でも変わってきます。そして、「自身がどういった相場環境でストレスを感じるか、それを防ぐにはどういう状態・資金状況が必要か」でも変わってきますので、ぜひご自身で把握しておくことをおすすめします。
「どういった相場環境でストレスを感じるのか」。これについてはリーマンショック・コロナショック含め色んな市場局面において自身がその場に臨んでいたのか、そしてどう感じてきたか、という経験の有無が大きく関連します。
そういう意味では、その経験は増えることはあっても減ることはありませんから、相場の荒波をポジティブにしっかり受け止めていきたいところですね。
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「株式市場の調整局面で買い増し余資を確保しておきたいから、定期的なキャッシュフローがあると現金比率を下げる」と先に述べましたが、このキャッシュフローという意味では高配当株投資による配当収入は親和性の高いものです。
保守的な運用をしたい方は、AGGやBNDといった債券ETFが好適です。過去の値動きは上下10%程度で、安定した分配金が得られます。
不労所得というのは、まさに定期的なキャッシュフローの一部たり得るものですよね。サブスクリプションのようなストック型収入を持つ企業は魅力的ですし、それは個人であっても実現しうる類のものです。
コメント
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あと自分も中国語を勉強しているのですが発音で苦戦しています。留学せずにできる発音の良い練習方法ってありますか?現在はオンライン中国語で中国人の先生に教えてもらっていますが、先生によって発音が違うように感じます、、、