本記事では、REITの一種であり、REITの中でも高配当なモーゲージREITについて解説します。
日本では馴染みのないモーゲージリートですが、米国ではモーゲージ債は一般的であり、モーゲージREIT主体のETFまであります。
注意点あり、以下詳述します。
モーゲージREITの特徴・注意点・投資リスク【高配当】
以下3点につき、詳述します。
- モーゲージREITとは何か
- モーゲージREITの特徴
- モーゲージREITの注意点
「モーゲージREIT」と「一般的なREIT」の違い
まず、そもそも一般的なREITとは、個人投資家の観点からは下図の通り「REITという投資法人」を通して不動産(ビルや物流施設など)へ投資可能になるスキームです。

一般的なREITのイメージ図
(厳密には監査人や事務受託会社なども関わりますが、上図では省きます)
モーゲージREITとは、上図のような一般的なREITとは異なり、投資対象がモーゲージ債になります。

モーゲージREITのイメージ図
モーゲージ債とは、端的に言えば「住宅ローンを証券化したもの」です。以下記事で詳述しています。
モーゲージREITの特徴
モーゲージREITは、「モーゲージ債の運用利回り」と「調達金利」の差が収益です。尚、モーゲージ債の利回りは、国債+α 程度です。
この利ザヤが薄いため、モーゲージREITは「投資家から資金を集めた自己資本」のほか、以下方法で資金調達することで、レバレッジをかけます。
- 金融機関からの借り入れ
- モーゲージ債を担保に借り入れ
このレバレッジが高配当の源泉でもあり、ハイリスクな源泉でもあります。
資金調達①:金融機関からの借入
①については、固定金利であれば金利変動の影響は受けないものの、モーゲージ債自体の利ザヤは薄いとされるため、固定にするプレミアム分を考慮すると一般的には変動金利と思料。
資金調達②:モーゲージ債を担保に借入
②についても、そもそも「レポ取引」と呼ばれる「債券を担保とする短期取引」では、金利は変動します。
(ちなみにFRBは資金供給する際、このレポ市場に資金を流すことで需給を調整します)
モーゲージREITの注意点・リスク:金利上昇に脆弱
このため金利が上昇すると、資金調達分の利息負担が増加し、収益の減少要因となります。
つまり、FRB利上げにより短期金利が上がると、モーゲージREITへの影響はネガティブです。
また、金利の上昇により、モーゲージ債の価格自体が通常の債券より下がる性質ゆえ、ダブルでネガティブ。
※当該性質は、「モーゲージ債とは、わかりやすく解説します。」にて詳述。
モーゲージ債(MBS)自体は安全とされている
尚、モーゲージ債(MBS)これ自体は関連記事でも述べた通り、政府系金融機関が発行体であることから安全とされています。
例えば、「iシェアーズ 米国 MBS ETF【MBB】」というモーゲージ債ETFがありますが、下図の通りリーマンショック、コロナショック時も堅調です。コロナショックでは1割程度しか下げていません。

MBB株価推移(2007年3月~2021年8月)
利上げ局面で弱い
「ただ、期間中に大きな利上げは行われていないため、あくまで低金利下での実績に留まります。
本格的な金利上昇局面では、モーゲージ債自体も下落が予想されます。」
と記していた通り、やはり現在のような利上げ局面では下落基調ですね。

モーゲージREITの特徴・注意点・リスクまとめ
モーゲージREITは、以下特徴に集約されます。
- レバレッジをかけているため、高配当
- レバレッジをかけているがゆえ、調達金利上昇に弱い
- 投資対象がモーゲージ債ゆえ、金利上昇に弱い
よって、高配当は魅惑的ながら、モーゲージREITへのポジション偏在は避けた方が好ましいと思います。
私が投資するなら、あくまで低金利局面のみとした上で、ポートフォリオの3%以下にします。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
関連記事
モーゲージ債とは何かについて、以下記事をご参考に供します。
ディフェンシブな運用に好適な「AGG」・「BND」といった債券ETFも、モーゲージ債を組み入れています。