東洋建設(1890)の株主総会レポート:配当性向100%にした理由が語られる

東洋建設(1890)の株主総会、参加レポート

東洋建設、100株しか保有しておらず、今まで縁がなくあまり知らない企業だからこそ行ってみようということで株主総会に参加してみました。

開催場所は「TKPガーデンシティPREMIUM 神保町」

総会ではTKPのラベルが貼られた水や緑茶が配布されるなど、TKPがそこまで主体となって供しているのでしょうか。

沿革

「兵庫県西宮市鳴尾地先を埋立て、工業港を建設することを目的として、南満州鉄道と山下汽船の共同出資により阪神築港株式会社を設立」だそうで、なんと鳴尾ですか。しかも南満鉄と山下汽船だとは。

会場

空席が目立ち、参加者は20名ほど。

中小企業の株主総会はつつがなく進みますね。株主総会は通例、以下の流れで進みます。

  1. 業績の報告
  2. 質疑応答
  3. 議案の承認

企業によっては、とくに大手企業になるほど、質疑応答では株主による顧客対応やコンプライアンスを問いただす質問がなされることがあります。それに対し経営陣は「個別の事案については回答を差し控える」といった回答にとどまります。そして紛糾します。

対して中小企業の株主総会は、大手よりアットホームな雰囲気で、質問も比較的まともな内容が多いように思います。

東洋建設もその傾向に準じており、10時開始、10時42分につつがなく終了しました。

質問者は6人ほど。ちなみに私は総会に出席したら必ず質問するよう自らに課しており、今回も質問しました。

主な質疑応答

印象に残った質疑応答は以下です。

  • 2025年度までの中期経営計画で配当性向100%を掲げているが、その資本政策の決定に至った背景は? また、今後の資本政策について具体的な考えは?

経営危機があったので財務を厚くしてきた

資本効率の向上に対する目が厳しくなってきたので過度な資本の積み上げを抑制した。

今後も株価・財務・情勢等を総合的に判断して適切な資本政策をとっていきたい。

過去に経営危機があったから資本を厚くしたけれども、昨今の資本効率向上の潮流を受けて貯め込みすぎたものを配当として吐き出すために配当性向100%にしたと、なるほど納得ですね。

印象に残った点、感想

配当性向100%はあくまで一時的なもので、今後は成長投資もしながら株主還元をしていくということだそうです。

同社の海外展開はフィリピンに注力しており、進出して50年の歴史を有すると。

売上高1,000億円規模なので中堅の建設業といったところでしょうか。

なお経営陣は外部からの招聘が一定数いるようで、CEOは元三菱商事の常務執行役員です。COOが生え抜き。ほか元みずほ銀行役員などが経営陣を構成します。

「女性役員が11人中1名しかいないではないか」との女性株主からの質問に対してCOOは「今後努めてまいりたい」という非常に端的な回答で、はたしてその気があるのかないのかかなり疑問符の残る語調に感じたのは私の気のせいでしょうか…(笑)

また、ほか企業では株主からの質問に回答後、「このような回答でよろしいでしょうか?」といった了解を得て質疑応答を各々終えるのですが、同社は「以上が回答になります。ほかに質問のある方はいらっしゃいますか」と強制終了のような塩梅で、このようなスタイルもあるのだなぁと思いました。

会社ごとに株主総会も特色があり興味深いです。また、多様な会場(ビル)に出入りすることになりますし、ついでにランチも各所でたのしめ、変化に富む1日になりますね。

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