金融市場に対して確信を深めるときは、たいていあぶない

撮影地:北海道
「市場に対して確信を深めるときはたいていあぶない」ということが言えるのではないかと思います。
これは自身の過去の経験則・教訓でもあり、他者を見ていて思ったことでもあります。
大前提「未来は常に不確実」
まず大前提として、政府や中央銀行などの当局や関係者から事前にリークでも受けていないかぎり、株式や為替の将来の値動きを正確に読み切ることはできないですよね。
大きな流れとしてこうなるだろうという想定はあっても、その事象がいつ起きるかはやはりわからないわけです。
たしかに投資の神様とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、毎々市場が下落する前に株式の比率を下げて大きな被害をまぬがれている傾向があります。
そうした慧眼か、またはその特殊な立場上知り得た情報に基づいたのかは定かではありませんが、いずれにしてもそのような事例は相当にまれかと思います。
したがって、相当に特殊な立場でもないかぎりは、インサイダーとして知ることはできないわけです(というか日本では刑罰対象)。
にもかかわらず予測不能な市場に対して自信を深めるというのは
「根拠なき過大な自信にもとづいて偏ったポジションをとる危険なサイン」
と言えるのではないかと思います。
これは過去の自分を省みてもそう思います。一時期、効率的市場仮説に異を唱えていた記事を書きましたが、ほどなくして下落局面をほぼ全身(フルポジ)で受け止めたと記憶しています。
とくに昨今はYouTubeの存在が事を巧妙複雑にしているのではないでしょうか。YouTubeをよく見る人は、アルゴリズムによって自分の信奉する類の情報ばかりが集まってきやすい構造ですね。
すると、
- ある情報から自分の見たい、または信ずる要素ばかりを抽出して、
- 反証する情報は無視し、
- 都合よき結論に達する
という可能性が高まることになります(心理学では、「確証バイアス」と呼称する)。
まとめ
「金融市場に対して確信を深めるときは、たいていあぶない」
あると思います。
あくまで「どちらに転んでもよいようなポジションにしておくこと」が肝要と心得ます。
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