現時点における日本株のメインシナリオ
時の経過とともに柔軟に変えていく必要がありますが、現時点では以下のようにメインシナリオを整理しています。
- とくに11月までは安値更新に警戒したい
- 2番底、3番底をつけてもよい資金管理をする
- 1年以内に日経平均株価4万円台の回復
※これは「予想」というより「こんな可能性がある」という今後の羅針盤として想定するシナリオです
とくに11月までは、2番底に警戒したい
今回ブラックマンデーと似た動きになるとはかぎりませんが、当時は安値更新の2番底、3番底をつけにいきました。そこから高値更新、バブル崩壊へと至ります。
ちなみに
当時ブラックマンデー発生後、”国際協調としての利上げ回避の要請”を受け、政府・日銀はすでにインフレ警戒感があったものの金融引き締めに動けず、金融緩和を続け、バブル発生→崩壊へと至っています(参考:『バブル期の金融政策とその反省』日本銀行金融研究所)。
今回も同様に市場への配慮で利上げを先延ばしにすることで、「日銀による世界への過剰流動性供給→ 円キャリートレードの再開 → 資産バブルの再開」となる可能性に留意したいです。
あくまで傾向ですが、暴落後は2番底を試しにいくことがあります。暴落直後にではなく、自律反発や方向感のない数週間を経てからです。
したがって、秋~年内、とくに11月にトランプ氏の大統領選挙勝利となるまでは、2番底・3番底に念のため警戒したいです(逆に言えばハリス氏勝利は不透明感のあるリスクシナリオ)。
トランプ氏はすでに低金利・減税を経済政策の柱として言明しており、大統領選挙に勝利して公約を果たすならば、2016年当時と同様に景気後退回避、株価上昇に支援的と思います(ただし、2016年当時と異なり現在の米経済はややインフレ気味なので、インフレを刺激せずに景気を浮揚させる絶妙な舵取りが求められると思います)。
したがって、11月までは株価上昇局面では適宜利確を意識し、再度の下落局面があれば現物株の2~3割まで信用分で買い増しできる状態としたいです。
仮に米景気が減速して、トランプ氏が大統領にならず拡張的な財政政策がとられなかったとしても、金融政策で利下げ余地となる政策金利が5%と十分にあり、利下げ余地すらない日銀よりも圧倒的に政策手段は大きいものと思います。
もちろんそのたびに中央銀行のバランスシートが拡大するので、危機の先送り感がありますが…
タカ派に豹変した日銀が、一転ハト派に回帰した
昨日の内田副総裁の記者会見を確認すると、先日の植田総裁のタカ派姿勢とは真逆のハト派に徹した内容でした。
「市場が不安定な状況で利上げをしない」との発言は、「物価の安定が本来の使命の1つである中央銀行の政策決定プロセスとは異なる」とも解釈できるため、その発言の是非については意見が分かれると思いますが、株式市場への影響のみを考えると「市場に支援的」な日銀に回帰したと解釈できます。
再び日銀がタカ派に豹変する可能性(もはやメンヘラのようですが)には留意しつつも、中央銀行が流動性を供給するメッセージを出したと解釈できる以上は、株式市場には2番底を警戒しつつ下げ局面では基本的には強気で拾いたいと思います。
したがって現状では「日本株が向こう1年以内に4万円台を回復し、いずれは高値更新」をメインシナリオとしたいと思います。
(米国株でなく日本株でよいのか)
ちなみに、日経平均株価とドル円レートは相関性がみられ、円高局面で日本株は弱く、米国株のほうが優位な傾向があります。
しかし結局米ドル建て資産である米国株も、円高局面では円建て成績は落ちるので、円ベースでは今回の下落率では同等の結果となりました。
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