コロナショックで政府債務・中銀バランスシートが更に拡大、前例なき事態が続く

コロナショックで政府債務・中銀BSが更に拡大、前例なき事態が続く

FRB・日銀バランスシート、S&P500(2007年8月~2020年3月)

コロナショックの拡大により、少し気になる点として、政府債務・中央銀行のバランスシート肥大化が挙げられます。

日米欧が、金融政策と財政政策の両面でコロナ対策を講じています。これ自体は短期的には株価の下支えになり得る材料ではありますが、長期的に見るとどうでしょう。

日米欧、中央銀行の対応

日米欧の中央銀行は以下対応です。

①利下げ:借り手の資金調達環境を醸成

  • FRB:2.5% → 0%
  • BOE:0.75% → 0.25%
  • 日銀:既に下げ余地が限定的

目的としては、借り手の資金調達(資金を借り続けられ、手元資金を確保するため)があります。

②金融市場に資金供給:流動性供給(=市場の機能・金融システム維持)

目的は、流動性供給です。市場の機能・金融システムを維持することですね。

ここが崩れると金融機関のバランスシートも傷み、リーマンショックのような金融危機に拡大しかねません。金融危機に拡大すれば、株価は更に下がることが予想されます。

既に80か国以上がIMFに金融支援を要請し、新興国だけで2.5兆ドルに上るなど、金融市場の懸念はくすぶります。

ちなみにドル資金供給により、締まっていたドル需給が緩和されると、ドル安要因になります。

③国債・社債を購入:資金調達コスト低下

国債の購入は、なかば政府債務をファイナンスする形です。そして、中央銀行が社債を買い支えることで、社債市場の資金逃避→企業の資金調達コスト高騰の抑制になります。

しかしこれらはいずれにしても、中銀のBS肥大化に繋がります。

米FRBのバランスシートも日欧と同様に、景気拡大期に既にBS肥大化ながら、今回のリセッション入りで更なる肥大化が予想されます。

政府の対応

米欧の政府対応は以下の通り。

  • 欧州:企業支援
  • 米国:現金支給など国民へ直接支援

財政出動により、政府債務が増大します。そこでまた中央銀行の役割が出てきます。中銀による国債購入で、政府の借り入れコスト低下に寄与することになります。

つまり、これらの対応により、従前まで継続してきた非伝統的な金融政策・政府債務の未曾有の水準は、今後も高止まり、あるいは増加傾向が続きそうだということです。

今回のコロナショックで象徴的だったのは、そのボラティリティの高さであり、下落の速さです。今まで以下のような下落局面があったわけですが、そのいずれよりも短期間で大きな下落率を記録しました。

非伝統的な金融政策が続けば、市場の動きも非伝統的になっても不思議ではありません。

まとめ

過去は過去で参考になる事例は多々あるわけですが、認識しておきたいのは、

  • 非伝統的な金融政策にしても、
  • 中銀のバランスシートのGDP比の水準にしても、
  • 政府債務の水準にしても、

刻一刻と前例のない領域に進んでいるということです。

そういったマクロ環境である以上、

  • 株価の振れ幅
  • 強気相場・弱気相場の期間

などなど、今後も過去最長・最短・最高・最低といった文言が躍る可能性は頭の片隅に入れておきたいところです。

客観的な事象を見ておくと、相場の急変に際しても動揺しない1つの材料になり得ますし、なおさら収入・金融資産のリスク分散にも配慮しようという意思形成にも繋がってくると思います。

今回の下落局面は、「想定外のリスク」に耐えられるような投資方針・資産配分・ポートフォリオなどの重要性を改めて見直す、そんなきっかけにもなりそうですね。

Best wishes to everyone!

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