人と時の流れを考えさせられる映画

公式ページより
「今までありそうでなかった映画」
そんなふうに感じました。2021年公開の映画で、日本では2022年に映画館でやってたような。見ようか迷って結局見なかったんですよね。
時の流れ
本作を見ると、以下のことを思うかもしれません。
- なんであんな小さなことで怒ってしまったんだろう
- だいたいのことは大したことじゃない
- 時が多くを解決し、風化させる
数日、数か月、数年も経てば、だいたいのことは大したことじゃないんですよね。
年相応
年相応という言葉があります。年齢に相応しくない年のとりかた、つまりたとえば「相応の人生体験を積まずに50歳近くになった人生は、想像しただけで怖ろしい」といった感想も人によって生まれると思います。
この映画は「ホラー」とジャンル分けされていますが、いわゆる一般的な霊的な薄気味悪さのホラーというよりは、上述したように「こんなふうに年を取ると恐ろしい」といったホラーがある感じですね。
人生を重ねるごとに、相応に人生体験や苦労も重ねるものですが、それでもしっかり内省や客観視、糧にするといった行動をしなければ、年相応の人間性にならないこともあるのでしょうね。先日仕事をしていても感じました。
できるだけ人のよい面を見ようと努めたく思いますし、新刊でも記したように苦手な人でも好奇心や学ぶ姿勢を持って接するよう努めたく思います。
しかしときに限界があって、無自覚に周囲を不快にさせたり、なにがなんでも張り合ったり、独善的であったり、そういう人とは関わらないようにします。それが若い人ならば、「そういう時期だよね」とも思えますが、もうけっこうな年齢であればなかなかそうも思いづらいものがあります。
そうした人に愛想や社交辞令をならべ、心を貧しくしてまで関係を続けることは、有限の人生が貧します。負のオーラは似た人を寄せ増幅しますし、正のオーラは似た人を寄せ好循環を生みますね。
イエスマンだけを周囲に配する裸の王様になるのは考え物ですが、人生を貧する人間性の人と関わるのはみずからの進歩性と品性に失礼でもあります。
さて、この映画は時の流れと、人間の性、そして製薬業界の闇も触れています。資本主義に生きる私たちにあたえる示唆を感じ取れる作品であるように思います。
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