中国は7か月連続で金(ゴールド)を購入
以下のような目的で現在ゴールドを保有しています。
- インフレヘッジ
- 資産クラスの分散
株・不動産以外 - 既存通貨以外への分散
ドル・円以外
資産形成というよりは、資産保全の色彩が強いかもしれません。
ゴールドの需給
価格は一般に需要と供給で決まります。
ゴールドの供給は、採掘とリサイクルです。需要は以下が挙げられます。
- 宝飾品
- のべ棒、コイン
- 中央銀行の購入
- 産業用
- ETF
「③:中央銀行による購入」が、2010~2021年で需要全体の2~13%、2022年に20%超まで拡大しました(下図参照)。
- したがって、金価格に影響をあたえる要素として、中央銀行(≒国家)の行動が以前より大きくなったと言えます。背景には米ドルの代替手段としての金保有があると考えられます。
では次に、世界最大の外貨準備を持つ中国の動向を見てみましょう。
米国債を売り、金を買う中国
2022年3月に米国の対ロシア金融制裁以降、中国は米国債を売って金を買う傾向がみられます(下図参照、背景はこちらに詳述)。
中国・国家外貨管理局が6月7日に公表した統計によると、2023年5月の金保有量は6,727万オンスで、前月の6,676万オンスから増加しました。これで2022年11月から7か月連続で増加したことになります。
この金保有量の増加はあくまで公的部門のみであり、輸入量はこれより増えていることから民間部門(市中銀行など)保有分の増加もあるでしょう。
各国の中央銀行が金を買っている
~2022年
- World Gold Councilによると、2022年における世界の中央銀行全体の金購入量は1,135.7トンと最高を記録し、前年の450.1トンから大きく増加しました。
2023年Q1
- 2023年Q1も、世界の中央銀行は全体として228トンの金を購入。比較的高い水準です。
金価格は最高値圏
直近のドル建て金価格は、下図のとおり最高値圏を推移しています。
脱ドルという大きな流れが進む場合、金はその代替逃避先として有力であり、各国の中央銀行による金購入は、金相場を下支えする要因になると考えられます。
各国の金保有量の変化は、今後引き続き確認していきたいと思います。
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