FIREが大衆化すると、資本主義の歪みがさらに顕在化する【不都合な真実?】 

tweet

News Picks特集第三弾です。

FIREが大衆化した場合、民間部門の貯蓄過剰による政府部門の負債増加・中立金利の低下などマクロ影響への言及。

日本化とも言われますが、個人的には物質主義への反動やIT化等による現代資本主義における先進国の行き着く先、いわば一種の歪みと考えます。

関連記事

【NewsPicks】有料会員向け特集として掲載されて感じる、有料メディアの可能性と潜在性
【NewsPicks】有料会員向け特集として掲載されて感じる、有料メディアの可能性と潜在性 今般、NewsPicksさんの特集として、イン...
【FIRE特集】FIRE本3冊を比較の上、資産運用のプロが再現性を検証【NewsPicks】
【FIRE特集】FIRE本3冊を比較の上、資産運用のプロが再現性を検証【NewsPicks】 今般、NewsPicksさんの特集として、イ...

NewsPicksの特集にもなっていた、「FIREムーブメントが大衆化した場合の影響」に関する考察を、私なりに以下記したいと思います。(先般インタビューにつき、改めて御礼申し上げます。)

FIREが大衆化すると、資本主義の歪みがさらに顕在化する【不都合な真実?】

まず、セミリタイア・FIREに限らず、資産形成の要諦とは以下の通りです。

資産形成のポイント
  1. 収入ー支出の最大化
  2. 運用利回りの最大化

ここでポイントとなるのは、②より①です。自身でコントロール不可能な領域にある「運用利回りの最大化」ではなく、「支出の最適化」を通じた「収入ー支出の最大化」です。

これがまず、資産形成において徹底したい基礎になります。

FIREをめざす人が増える → 貯蓄率が上昇

FIREをめざすのあたっても同様です。いわば、貯蓄率を高めることがポイントになります。

つまり、FIREをめざす人が増えると、必然的に貯蓄率を高める人が増えるという図式も同時に成立しやすくなります。

貯蓄率が上昇 → 金利が低下

では、貯蓄率が上がると、どうなるでしょうか?

  • 貯蓄率が上がれば、消費が抑えられることと同義です。
  • 消費が抑えられれば、経済に影響が出ます。

マクロ経済的には「乗数効果」の要素に影響あるでしょうし、FRBは消費を喚起すべく利下げ要因が増えるでしょうし、当然消費が下がれば設備投資も落ちるでしょう。

乗数効果とは
乗数効果(じょうすうこうか、英: Multiplier effect)とは、一定の条件下において有効需要を増加させたときに、増加させた額より大きく国民所得が拡大する現象。 国民所得の拡大額÷有効需要の増加額を乗数という。

「支出の最適化」におけるパラドクス(大衆化したケース)

「The New York Times × NewsPicks」の本記事で、以下のような文があります。

倹約にはパラドックスがある。貯蓄は個人レベルでは高潔な行為でも、大きな集団がみんなで貯蓄に邁進するとなると、経済的な問題を引き起こしかねない

これについては、私も同感です。

そもそもFIREが大衆化するケースはあるか

ただ、「そもそもFIREが今より大きなムーブメントとなって大衆化することがあるのか」という点に焦点を当ててみたいと思います。

私個人としては、大衆化するケースには懐疑的です。おそらくFI(Financial Independence)をめざす人が大衆化しても、それがそのままRE(Retire Early)に直結する人は、部分的に留まると考えています。

つまり、色々な事象で散見される「全員がこれをやったらどうなるか」という想定がありますが、現実的に可能性は高くないと思います。

支出の最適化にしても継続する相応の意志力が求められますし、資産運用についても情報群の中から選別する相応の情報収集力が求められます。

いずれの条件かは満たさないと、FIREの実現可能性は低くなってしまいます。

そもそも利子率(金利)の低下は、資本主義の歪みと考える

当該New York Timesの論評では、「FIREムーブメントが大衆化した場合、金利の低下につながる」という流れがあります。

たしかにその部分については、私もそう思います。

ただ、FIRE云々以前に、そもそもその大きな背景に、「利子率の低下という大きな趨勢自体が資本主義の一種の歪みというか、もう資本やインフラが行き渡っているからこその現象」と私は考えています。

端的に挙げるとすれば、以下と思います。

  1. IT化によって、物的な大量生産・大量の資本が以前より不要
  2. 環境面・人々の精神面の両面における、高まる物質主義への疑問
  3. 特に先進国においてインフラ等は行き渡っており、新規需要というより更新需要などに留まる

そもそも資金需要自体が、以前より小さくなっているということです。

単一要因に絞るのは不味ながら、象徴的な例を挙げるとすれば、これらがそもそもの利子率の低下(低金利)の背景と思います。

まとめ

いずれにしても、「FIREが大衆化した場合のマクロ影響を考察する」という視点は非常に面白いと思いました。

ただ、個人的にはそもそも大衆化するには、上述したような条件がいくつか満たされる必要があるのも事実と思います。

仮に大衆化すれば、ますます従前までの尺度(GDP・有形資産・価格基準)では測れないものが増え、無形資産・価値基準への移行が進むと思います。

それが、現代資本主義の歪みを一部テープで直すような形と言えるかもしれません。

Best wishes to everyone!

以下、関連記事を再掲しておきます。

「ミレニアル世代は怠け者と言われている。早く退職して、それが正しいことを証明しよう」昨年の夏、全米の15の主要都市に、こんなフレーズが書かれた看板が登場した。投資会社プルデンシャルの広告に打ち出...
【NewsPicks】有料会員向け特集として掲載されて感じる、有料メディアの可能性と潜在性
【NewsPicks】有料会員向け特集として掲載されて感じる、有料メディアの可能性と潜在性 今般、NewsPicksさんの特集として、イン...
【FIRE特集】FIRE本3冊を比較の上、資産運用のプロが再現性を検証【NewsPicks】
【FIRE特集】FIRE本3冊を比較の上、資産運用のプロが再現性を検証【NewsPicks】 今般、NewsPicksさんの特集として、イ...
Twitter
スポンサーリンク

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

外国株式ブログランキング

SNSでシェアする

フォローする

公開日: