下落局面での投資行動を考える、2つの要素

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下落局面での投資行動を考える、2つの要素

ご質問

初めまして、三菱サラリーマンさんより10は上と思われるサラリーマンです。

投資経験はそれなりにありますが米国には目が向いていませんでした。

これから一念発起して、配当金ベースでの投資に切り替えようと思ってます。特に高配当株ETFには魅力を感じてますが、下落局面でも売らないというのが方針でしょうか?

損切りとかを考えてしまうのですが、ご意見頂けたら幸いです。

ご質問ありがとうございます。

下落局面での投資行動を考えるには、結局は以下2点を考えることで明確になりやすいかと思います。

  1. 「投資をする」そもそもの意味を再確認する
  2. 「投資になにを求めるのか」を再確認する

①「投資をする」そもそもの意味を再確認する

投資をする際の前提条件として、まず以下3つを確認したいところではないでしょうか。

  1. 投資をするということは「将来的に価値が向上すると思しきものに、資本を投下する」ということ(経済的な観点にかぎる)
  2. 米国株への投資は「米国の株式市場が今後も成長する」という可能性に賭けるということ
  3. 「現行の近代資本主義という社会システムが今後も継続する」前提に賭けるということ

これら3つの前提に賭ける場合は、長期目線では「下落しても売らずに買い増すこと」が合理的な行動ということになります。

逆にいえば、「米国株の将来」「近代資本主義の継続」が信じきれなくなった場合や、短期的に市場平均+αのリターンをねらう場合は、売却も選択肢ということになりますね。

つまり「自身の投資シナリオ、賭けるシナリオ」によって変わってきます。

そのため、「自分が賭けるシナリオがどのようなものか」を明確にすることが大切ではないでしょうか。

②「投資になにをもとめるのか」を再確認する

結局は、「自身が投資に何を求めるか」が関わってくるのではないでしょうか。

たとえば以下の通りです。

  1. 仮に、20年後の配当金のために投資をする、そして先述3つの前提に賭けるならば、目先の株価より長期目線で見たほうがよいことになる
  2. とにかくリスクを取ってでも、早く資産形成をしたい場合や、市場平均プラスアルファをめざす投資ならば、いったん売って、下がったところで買いなおすことに賭けることも選択肢

何を求めるかということですね。それによって適する解も変わってくるかと思います。

配当金をベースとした投資を考えてらっしゃるとのことですから、その場合、先述3要素を満たすのであれば、下落局面は値下り分が追加的に配当金を多く増やす好機になり得るので、買い増しチャンスにもなります。

つまり、その場合は売らずにむしろ買い増しを試みることに合理性を見いだすことができます。

まとめ

  1. 「投資をする」そもそもの意味を再確認する
  2. 「投資になにを求めるのか」を再確認する

下落局面での投資行動を考える際、上述2点を再確認しておきたいところではないでしょうか。すると、方向性も明確になりやすいと思います。

「投資に何を求めるのか」を明確にすることは、結局は価値観や人生観を明確にすることでもありますね。

ご参考になりましたら幸いです。

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公開日:2020年7月14日

コメント

  1. 井上昂宏 より:

    はじめまして

    私はアラフォーで普通のサラリーマンです。

    穂高さんの出版された本を早速拝読させていただきました。
    (ちなみにKindleで購入して職場の後輩には本をプレゼントしてました。)

    読後さらにSPYDのみに積み立てる戦略も1つではないかという考えがより強くなりました。

    私にとっての投資のKPIは配当だからです。

    過去に売却益をいただいたことがありますが、一回だけキャピタルゲインの売却益をいただいてもあまり嬉しくなかったのを覚えています。

    相当な資産家であればVTIやVTのみの運用に憧れるのですが、
    配当が少ないためその戦略は取れません。

    私は今後もアメリカ一強という状況ばかりは続かないとも考えていますが、
    ・今後も人口が増え続けること
    ・広大な国土
    をこれらを考えるとアメリカが大ゴケする可能性は低いと考えております。

    穂高さんは著書の中でも色々な個別株やETFを組み合わせて投資をされていますが、
    SPYDのみに積み立てていくという投資戦略に対してどのようにお考えでしょうか?

    もちろん投資は自己責任であることは理解しております。