30歳で退職し、退職金がついに入金されました。
今はまだ、30代でセミリタイアする人は極めて少数と思います。しかし、今後30代でセミリタイアする人は従前より増えると思います。
インターネットで副業する方法が増えたことに加え、資産運用面でも特に弊ブログをお読みくださっている方々は、サラリーマンがどのようにセミリタイアまでの道筋をつけたか、その方法論をご存知と思います。
同様の手法であれば、始める年齢・相場環境・収入支出の多寡にもよりますが、時間をかければセミリタイアまでの道筋はつけられます。
なので、価値観にもよりますが、30代など若年期に退職する人は今後増えると思います。
ということで、来たる30代退職者のための、退職金の運用について自身の方針も含めて以下記しておきます。
30代で得た退職金、どのように運用するか
定年退職など50台以降の中年期以降における退職と、壮年期に入ってくる30代の退職で大きな違いは、取れる運用期間の長さです。(ただし50代の退職金額と比べ、30代のそれは僅少です)
日本人の平均健康寿命は72歳なので、30代で退職の場合、取る取らないは個人の価値観によりますが、物理的には約30年間は運用期間を取れます。
運用の主眼としたいのは、現状あくまで株式
この30年間という時間軸・前提を考えた際、やはり運用の主眼としたいのは株式です。(リート含む)
定年退職など中年期以降の退職であれば、「全て株式に投じる」ような大きなリスクを取りづらい面もあります。なぜなら、下図ITバブル崩壊以降のS&P500のように、戻り高値を演じるまで7年間費やすこともあるからです。
運用期間を長く取れず、且つ一気に資金を投下した場合はこのようなケースに遭う可能性が出てきます。老後資金がこのような形で含み損を抱えながら凍結状態になるのは、やはり避けたいところと思います。
そのため、債券ETFの中でも信用リスクの低いAGGやBNDをトッピングすることが有力な選択肢になってきます。その旨は申し上げてきた通りです。
一方、30代であれば債券を入れずの株式での運用を推したいところです。市場低迷期が長期化するリスクは依然存在するものの、運用期間がある程度長くとれるため、相対的にそのリスクは低減できることが見込めるからです。
株式・債券のリターン(直近10年間)
長期では「株式のリターンが債券のそれを大きく上回ること」は論を俟ちませんが、あくまで一例として、2019年11月時点における直近10年間でも、下図の通り同様の結果が得られていることを参考程度に挙げておきます。
紫:外国株、水:日本株、薄緑:外国債券、濃緑:日本債券
資産クラス別リターンは、債券バブルも叫ばれる昨今ですが、「外国株式>日本株式>外国債券>日本債券」という形になっています。
ただし、こういった資産クラス別リターンだけに限りませんが、この種のリターングラフは、短中期においては、「スタート地点をどの年にして、終了地点をどの年にするのか」で大きく結果が変わり得ますから、あくまで参考程度・一例程度に留め、あくまで一般化できるとは限らないことには留意しておきたいですね。(たとえば期間20年にすると債券がアウトパフォームするケースも出てきます)
退職金をどのような時間軸で投資していくのか
株式には、個別株・ETF、ほかにはリートなども投資対象になってきますが、もう1つポイントになってくるのは、「どのような時間軸で株式市場に投下していくのか」という点です。
相場状況によって変わってきます。
市場が楽観的
たとえば目下、2019年12月20日現在、市場は極めて楽観的です。
「Fear and Greed index」は、「91」を示し、1年前の「8」とは対照的です。
▶Fear and Greed index【株式市場のセンチメントを知る方法】
このような楽観状態では、退職金のようにある程度まとまった資金を一気に投じるのは、相当気が引けます。
あくまで「待機させておき、大きく下げた時にある程度買う」、「1年~3年程度を目処に時間分散して投じていく」形が良いと思います。
いずれにしても一気に注入すべき時期ではないですね。調整局面はいずれ2020年に訪れると思うので、その時まで資金を温存しておきます。
市場が悲観的
対して、市場が悲観的な状態であれば、一気に投じることも一案になってきます。
あるいは、1年程度を目処に時間分散して買っていく形ですね。
30代における退職金運用まとめ
まとめますと以下の通りです。
投資対象
▶株式
時間軸
▶楽観に傾く市場 → 一気に投じず、待機資金 or 時間分散
▶悲観に傾く市場 → 一括投入 o r時間分散
やはりこの形が、基本形と思います。
私の運用方針は基本的に、奇をてらうというより、基本形に愚直に沿っていく形です。入金は積極的ながら、運用方針やポートフォリオは慎重です。(FX時代と比べて、ということにはなりますが)
私自身、受け取った退職金については、一括で投じることはせず、一旦は米ドル建てMMFで待機させておき、相場状況にもよりますが、あくまで徐々に慎重に株式に投じていく予定です。
今は年末ということで、来年のNISA枠新設が控えていることもあり、資金を投入するのはまずはそこからということになりそうです。
ご参考になれば幸いです。
Best wishes to everyone.
50歳から資産運用を始める際についてです。やはり主な注意点は資産運用における残期間関連になってきます。残期間が実質的な資金凍結にならないよう気を付けたいです。
退職金そのものに関する考え方についてです。一応債権(bondではなくreceivableです)的な性格があることは留意しておきたいですね。