本記事では、2017年・2018年における「たばこメーカーの世界シェア」と「たばこの販売本数」を示します。
上位5社で世界シェアの8割強を占める寡占業界であることがわかります。
たばこメーカー世界シェアランキング【2018年版】
2017年・2018年における世界シェアランキングは以下の通りです。
2017年 | 2018年 | |
1)中国煙草総公司(CNTC)(中国) | 42.8% | 43.6% |
2)フィリップ・モリス(米国) | 14.1% | 13.9% |
3)ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(英国) | 11.5% | 12.1% |
4)日本たばこ産業(JT)(日本) | 8.4% | 8.4% |
5)インペリアル・ブランズ(英国) | 3.6% | 3.4% |
(出所:Euromonitor International)
1位は中国の国有企業、中国烟草总公司です。「中华」という銘柄が人気です。中国の顧客に手土産として持って行ってもある程度喜ばれるほど根強い人気があります。中国は国内市場そのものが大きいですから、国内市場を独占する同社の世界シェアも圧倒的です。
2位は米たばこ大手のアルトリア・グループからスピンオフされたフィリップ・モリス・インターナショナル【PM】です。健康に悪影響な紙巻きたばこからの転換を表明し、イメージ良化にも努めています。日本で加熱式たばこ「アイコス」で先行しています。
3位は英国のブリティッシュ・アメリカン・タバコ【BTI】です。筆者も4万ドル投資しています。「ダンヒル」や「ケント」などのブランドを有します。2018年のシェアは前年比0.6ポイント上昇しました。2017年に米2位のレイノルズ【RAI】を約5兆6,000億円で買収しています。
4位は日本たばこ産業(JT)です。国内市場が縮小する中、ロシアやバングラデシュのたばこ企業を買収するなど、海外展開が盛んです。自社ビルを売却・移転するなどコスト削減や事業の多角化を図っています。私も600株保有しています。
【2018年】世界販売本数は微減
さて、先進国で大きく減るたばこ販売本数ですが、世界全体で見てもたばこの販売本数は減っています。
2018年の世界販売本数は5兆3,267億本とされ、前年比0.8%減っています。たばこ各社は販売減を単価増で補う構図が続いており、この手法でどこまで踏ん張れるかが注目されます。
下図の通り、たばこ大手各社は2017年以降、軒並み株価下落。今後の市場縮小が懸念されています。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ【BTI】の株価

アルトリア・グループ【MO】の株価

日本たばこ産業(JT)の株価
果たしてこの売り込まれ具合が、将来のリターンへの起爆剤となるのか、はたまた凋落の途上に過ぎないのか、重大な関心をもって注視したいところです。
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