米国株投資の今後についてどう考えるか。直近トピックを2つ挙げます。

「米国株の今後について、直近どう考えているのか」というご質問を頂きましたので下段にて回答申し上げます。

米国株投資の今後について直近どう考えるか

ご質問

題名: ご指導お願いします。

メッセージ本文:
三菱サラリーマン様

いつもブログを拝見させていただいてます。株式や投資のみならず、生き方や、考え方など勉強になります。自分の考えをしっかり持ちながらそして他者を否定しないところなど素晴らしいと思います

私は36歳、3歳になる息子の育児中です。

薬剤師をしています。

独身時代から母の影響で株やFXをやっていましたが、出産後、息子のために確実に資金を増やしたいと思い、配当金投資にたどりつきました。

(中略します。中略部分は別記事で別途回答申し上げます)

また、三菱サラリーマン様も買っているアメリカ株の今後などどう考えていますか、教えて頂けるとありがたいです。よろしくお願い致します。

ご質問を頂戴しまして、ありがとうございます。大変恐縮です。

アメリカ株の今後ということで、様々なリスク要因はあるも、やはり米国を圧倒する市場は他に見当たりません。

企業構成・人口動態・市場整備・株主還元などの観点から、投資先として米国を圧倒する市場は今のところ見当たらず、投資先として約半分は米国に割いても良いと思っていますし、実際に私は約半分の投資資金を米国に割いています。

米国株の直近のトピックとして、以下2つが挙げられると思います。各々について私見を記します。

1)株主第一主義の修正と題された報道

2)米中貿易戦争

米国株の今後を占う直近トピック①株主第一主義の修正?

「米国において株主第一主義が是正される」という旨の報道が日経新聞から先日ありました。

要は、米主要企業の関連団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が、株主第一主義を見直し、従業員などのステークホルダーにも配慮する、という報道です。

Business Roundtableとは
1978年からコーポレートガバナンス指針を取り決めている米主要企業の関連団体で財界ロビイの一つ。1972年に設立され、米主要企業200のトップが会員とされる。

ではビジネス・ラウンドテーブルの原文を見てみましょう。

Business Roundtableの「Statement on the Purpose of a Corporation」に以下コーポレートガバナンス指針に対するコミットメントが記されています。

米コーポレートガバナンス指針(最新)

(前略)

・Delivering value to our customers. We will further the tradition of American companies leading the way in meeting or exceeding customer expectations.

・Investing in our employees. This starts with compensating them fairly and providing important benefits. It also includes supporting them through training and education that help develop new skills for a rapidly changing world. We foster diversity and inclusion, dignity and respect.

・Dealing fairly and ethically with our suppliers. We are dedicated to serving as good partners to the other comapanies, large and small, that help us meet our missions.

・Supporting the communities in which we work. We respect the people in our communities and protect the environment by embracing sustainable practices across our businesses.

Generating long-term value for shareholders, who provide the capital that allows companies to invest, grow and innovate. We are committed to transparency and effective engagement with shareholders.

Each of our stakeholders is essential. We commit to deliver value to all of them,

(後略)

(出所:Business Roundtable

上述の通り、確かに報道が示すように、「顧客・従業員・サプライヤー・地域社会・環境への貢献に関する誓言」が書かれてはいます。

しかし同時に「企業が投資・成長・革新せしめる投資家に対して長期的な価値を創出する」ことにもコミットしています。

つまり、「株主第一主義の撤廃」とセンセーショナルに報道されましたが、原文を読んでみますと、「各ステークホルダーに価値を供出すること」、「そしてそのステークホルダーに投資家も当然含まれていること」から、それほど扇情的な内容ではないかなと感じます。

各ステークホルダーに配慮する姿勢を見せることは、いわゆる “社会の公器” を標榜する企業としては当然の帰結・社会的責任と思え、その点で以て米国株に対する姿勢が悲観に傾くまではいかないかなと個人的には思います。

Business Roundtableの指針に対し、Progressive CorporationのTricia CEOは、「CEOは利潤とリターンを株主にもたらすが、永続的な優良企業はもっと多くの利潤とリターンを株主にもたらす」とさえ言います。(出所:Business Roundtable

当該指針策定の背景には、企業の社会的責任を指弾する声があるともされており、大転換が現実化するとはちょっと考えにくいのかなと思います。

現状、革新性・ガバナンス・人口動態・株主還元の観点から、「市場全体への投資先」という意味で米国を圧倒する投資先は見当たりません。

例えば同じく覇権を争う国家として中国があります。中国の人々は激しい競争を潜り抜け、賢い人も多いですし、人口も国土も言わずもがな広大です。

貿易戦争がたとえ今後長期的に続いても、その敏さや国家資本主義という権力基盤の維持という観点における都合の良さから、引続き上手に技術を移転するのではないかとさえ思わせます。

しかし、ガバナンスや株主還元では劣後すると言わざるを得ません。そもそも政府による国有企業への介入は茶飯事であり、企業が見ているのでは投資家というより、政府です。

共産党員でなければそもそも出世できないお国柄です。不正会計に対する罰則も米国と比べれば非常に軽いガバナンス体制です。

確かに上海総合指数は3,000近傍で推移・低迷していることから、上値余地はありそうですが、中国市場全体にポートフォリオのうち大きな部分を長期投資する気にはあまりなれません。

つまり「覇権国・大国であること」は、株主目線で言えば必要条件でしかなく、必ずしも必要十分条件では決してないのです。

米国株の今後を占う直近トピック②米中貿易戦争

これは個人的には長期化すると思いますが、果たしてどうでしょうか。

未来に考えを馳せる際、歴史をある程度知っておくことは必須と思います。なぜなら、人間は太古の昔より考え方・衝動・欲求・本能・防衛機制などの感情メカニズムなど人間の基本的な機能を司る部位というのは、大して変わらないからです。

常識というのは教育で如何様にも変わります。しかし、本能・衝動・欲求・感情というのは、よほど大衆を抑圧された環境下にでも置かない限りは、過去から未来という時間軸における個体差は決して大きくないでしょう。

ではアメリカ人という実質白人主体の国家を考えた際に、「中国による技術移転の実態などが明るみに出て、更に米国民が不満を感じている」という状況下、そう簡単に引くとは思えません。

もっと言えば、覇権国の地位は何があっても絶対に譲らないのではないでしょうか。白人は覇権国・植民地の美味しさを知っています。「8割の税金をかけて宗主国へ」という美味しさを知っています。人間の冷徹な部分というのも、勿論ゼロではありません。

中国は歴史を徹底的に学ぶ国と思います。北京の「世界经济专题」という授業で、教授が目下の経済状況を語る際に、関連歴史を学ぶことに多くの時間を割いたのは印象的でした。

中国は歴史を学び、研究し、「日本の二の轍は踏まぬ」と意気軒高な様子ですが、個人消費がGDPの70%を占める米国に対し、中国は半分の35%です。外的要因に対する脆弱さはどうしても中国が見劣りします。

米国株投資の今後まとめ

米国株の直近主要トピックとして、以下2点を挙げ、私見を付記しました。

1)株主第一主義の修正と題された報道

2)米中貿易戦争

結論的には冒頭の通り、市場全体の投資先として米国を凌駕する市場は現時点では見当たらないというのが率直な印象です。

ただしITバブル後の10年のように低迷期も勿論あります。

米国有望とはいえ、着実な資産形成には分散が基本ですから、あくまで今まで通り、米国を主軸とした世界の高配当株に投資をしていくスタンスは変わりません。

以上ご参考になりましたら幸いです。

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