トランプ氏当選後の大きな資金シフトのうねり
大統領選挙でトランプ氏が勝利してからというもの、主に下記2現象が起きています。
- グレートローテーションと言われる債券から株式への資金シフトの大きなうねり
- 公益セクター電力株や生活必需品セクターなどのディフェンシブ株から資本財セクターへの資金シフト
①のグレートローテーションについては、さわかみファンド創設者の澤上氏が以前から指摘・予想されていました。
中央銀行の低金利政策から先進国の債券は軒並み価格が高く、利回りが低い状態です。これ以上の利回り低下の余地は限定的であり、債券から株式へ資金シフトが起こるのは違和感ありません。
②のディフェンシブ銘柄群の価格下落はこれは米国株長期投資家にとってはやっと買い増し、もしくは新規購入できるタイミングがめぐってきたと言えるでしょう。
今年年初から一貫してディフェンシブ銘柄が高騰していた為、新規購入・買い増ししづらい状況でした。しかし、トランプ氏がこれから減税・インフラ投資によって国債増発が起こるとの思惑から米長期金利は1%以上上昇することになりました。
金利が上昇するということは、相対的に高配当株の優位性は落ちます。なぜなら長期金利の指標となる10年物国債の利回りが高ければ、価格変動リスクの高い株式をわざわざ購入しなくても、国債を保有・購入していれば、株式のように価格変動リスクを負うことなく金利収入を享受できるからです。
それゆえ、10年物国債の利回りが別名リスクフリーレートと呼ばれる所以であります。
OPEC減産合意により、原油価格上昇・電力株下落
そしてここへ来て、今週更にOPEC減産合意がサプライズ発表されました。
これによってただでさえ②要因によって電力株が売られていた状況で、更に原油価格の上昇によって電力株が売られています。
原油価格の上昇は電力会社の燃料調達コストの上昇に繋がるからです。日本の電力会社のようにLNGの価格が原油連動型の場合はLNGの調達コストも上昇し、収益を圧迫します。
ちなみに石油製品を主力とする化学品会社も下押し圧力を受けるでしょう。当然ですが石油元売り等の銘柄は上昇です。
ただし、原油価格が60ドル台に達するあたりから米国シェールガスが増産すると言われていますので、一旦はそのあたりで上値が抑えられるという構図になるのでは、と思います。
後はロシアをはじめとする非OPEC各国の動向に要注目。
【DUK】上述2つの理由で配当利回りが上がってきたタイミングで55株購入
やっと米国最大級の電力会社「デューク・エナジー(DUK)」の配当利回りが4.4%程度まで下がってきたので先日75ドル台で55株を購入しました。
正直OPEC減産は予想していなかったため、結果的には少し早めの買い出動にはなりましたが、私は配当額を重視していますので、購入タイミングや価格は良いに越したことはありませんが、過度には気にする必要はありません。
他の電力株で保有したいものとしては下記銘柄が挙げられます。
- SO サザン
- D ドミニオン・リソーシズ
- ED コンソリデーテッド・エジソン
まずはこのあたりでしょうか。どれも米国で歴史のある大型銘柄であり、米国株投資家には言わずと知れた、配当利回りも高く連続増配年数も長い、王道銘柄群かと思います。
正直どの銘柄も資金さえあれば買いまくりたいところですが、恒例のフルポジションに近い状態ですので、自社株売却した際、あるいは財形貯蓄を解約した際、あるいは毎月の可処分所得から捻出した資金で一気に購入しようと思います。
Best wishes to everyone!
デューク・エナジー(DUK)の銘柄分析についてはこちら。
デューク・エナジー(DUK)の増配に関してはこちら。
