「トランプ政権の貿易政策は一過性のものではない」とする説

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「トランプ政権の貿易政策は一過性のものではない」とする言説

週末にBS番組や新聞など、いわゆる識者による言説を眺めていました。

最も印象に残ったのは「トランプ政権の経済政策は、ディールありきの一時的なものではない」とする説です。

「米国の論文(具体名を失念しましたが)とトランプ政権の貿易政策は軌を一にしており、論文で展開される内容がトランプ政権の貿易政策における思想的根拠になっているのではないか」という論がありました。

たしかにこれまでのところ、当該論文の内容に沿った政策判断がなされているように見え、説得的ではありました。

その論文の世界観を端的に言えば、

  1. 冷戦後、米国は自由貿易を推進してきた
  2. 結果、割高なドルと割安な関税によって外国産品が流入し、国内製造業が衰退
  3. 巨額の貿易赤字を抱え込み、債務国に転落した
  4. これを是正するためには、関税を設け、ドル安に誘導する通貨協定を各国と締結する必要がある
  5. 関税を下げる代わりに、各国に通貨協定を迫る

というものです。

そして「中間選挙という政治的な脈絡よりも、上述のような経済観を達成することに重きを置いているのではないか」といった説です。

確かにドル安に誘導すれば単純に国内輸出産業の価格競争力は上がりますし、国内産業の空洞化によって貿易赤字が生まれるのはその通りですから、上述の論理展開自体は荒唐無稽ではないと感じられます。

ただ、相当に中長期的な目線の話ですよね。通貨安で企業が国内回帰するには時間が必要ですし、加えて国内技術者の養成も、となるとなおのこと(とくに造船など)かと想像されますが、もしそこまで長期目線で現政権が本当に考えているならば、荒唐無稽な話ではなくなってきますが。

以上はあくまで数あるうちのひとつのシナリオであり、未来のことなのでどうなるかはわかりません。

しかし頭の中に多様なシナリオを持っておいたほうが事前にリスクを想定しやすくなるので大切かとは思います。

週明け月曜はブラックマンデーという名にふさわしく、相当な暴落となりそうです。投げ売りも相当出そうです。

現物勢はむしろ買いの好機が訪れつつあると思いますが、信用勢はあらためてリスクをとりすぎない運用ができているか問われることになりそうです。

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