荒れる金融市場、何が起きていて、ベテラン投資家はどう動いたか

爽やかに落下
株式市場が世界的に荒れていますね。
私もご多分に漏れず、金曜日はSBI証券だけで以下のとおり350万円が爽やかに飛び去って行きました。
日米株式は20%近い下落
S&P500は最高値からの下落率が17%に達し、日経平均株価も直近高値の40,000円を起点とすると、週明けの下落率は約20%に達そうとしています。
なぜ株価が下がっているか
トランプ氏の関税賦課によって世界的な景気後退が懸念されています。
関税によって株式市場が暴落するのは自然なことで、大学で学んだ国際貿易論のひとつに、イギリスの経済学者デヴィッド・リカードが提唱した「比較優位の原則」というものがあります。
内容を要約すると「各国が得意なものを生産し、貿易することで世界の富が最大化される」と言って差し支えないと思います。
一例ながら、
- Aさん:服を作るのに1日かかり、鉄の生産に2日かかる
- Bさん:服を作るのに2日かかり、鉄の生産に1日かかる
ならば、Aさんが服を作り、Bさんは鉄を生産して交換(貿易)したほうがよいですよね。
関税をかけると、この比較優位の原則が崩れ、経済合理性は損なわれますね。したがって、GDP成長率や企業業績の総和に下押し圧力がかかることになります。
株式の価値は「1株あたりの純利益(EPS)」を源泉としますから、関税がかけられるとEPSの減少を通じて株式の価値、つまり理論的な株価は下がるというわけです。
したがって、株価の下落はある意味自然です。焦点は「EPSがどれだけ下がるかわからない」という不透明感かと思います。各国が実効的な報復関税を課せば、それだけ比較優位の原則が失われ、EPSの下がり幅は大きくなります。
以上が、今起こっていることの説明になると思います。
ベテラン投資家はどう動いたか
私も長らく株式投資をやっているので、年上の古参投資家を知り得る機会に恵まれました。
彼らは資産額も数倍多いですし、投資実績も長年の功があります。
ひとつ言えるのは、彼らは4月3日(木)から4月4日(金)にかけて総じて日本株を買い始めているということです。
私も4月4日(金)から少しずつ買い始めています。しかしもちろん、買う金額と資産全体に占める割合はみな異なりますし、買いましょうと言っているわけではありません。
すでに日本株が個別で「買ってもよいと思える水準にある」と考えてはいる、というところかと思います。

出所:投資の森
2013年のアベノミクス以降の10年間、日経平均株価のPERは12~18倍の間で推移してきました。足もとPERは13.67倍とそこそこ低い水準です。
もちろん、週明けはさらに暴落が予想され、今後は不透明で、関税戦争がいかほど悪化してEPSを押し下げるかわかりません。株価がさらに暴落するかもしれません。ただ、来週信用勢が投げ売りとなれば買い向かうつもりではいます。
なお、トランプ政権が中間選挙まで株安を放置するとは思いにくいものの、株価の低迷が長引く可能性もあります。あくまで最大でも信用レバレッジを1.3倍までとし、損切りラインを決めて切るなど、リスク管理は必須かと思います。