三菱商事(8058)の株価はトリプルボトムか下放れか、正念場を迎える
三菱商事の株価はこの半年、TOPIXに大きく劣後して下落していますね。
新NISAでの買い付けランキングでは時期によっては首位となるなど、配当利回り4%を超えて注目度が高まっています。
そんな三菱商事(8058)の株価について、以下2つの視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足、MACD)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足チャート
直近の日足は、上ヒゲより下ヒゲが長い「下影陰線」といって「上値の重たさ」を表しています。
一方、依然として11月末からの底値付近(2,472~2,500円)ではあることから、トリプルボトムを形成する線は残っており、そのシナリオに賭けたい投資家ならば買いを入れる水準ではあり、反発期待は依然残る状態と言えようかと思います。
週足チャート
週を終え、直近の週足が完成しました。引き続き上値抵抗線の下から一つ目よりは上で推移しているものの、陰線で引けています。直近の足は「上影陰線」といって下ヒゲより上ヒゲが長く、「底堅いが、売りがやや優勢」という塩梅です。
4つ前のローソク足の安値を更新し、この観点からは目先下落トレンドと整理できますが、52週移動平均線(緑)は横ばいで強弱まちまち。
そして重要な点として8月5日~9日の週足で付けた安値2,398.5円に接近しており、短期的に底を狙って打診的な買いが入りやすいと思しき位置と言えます。逆に言えば2,398.5円を明確に割ってくるとかなり弱気に傾くリスクが併存します。
また、年初の上昇相場の起点となった水準と同じ価格帯でもあり、現在の価格は節目や転換点ともいえ、そろそろ正念場か、といったところ。
MACDを見ると、11月末と同じ価格帯でありながらヒストグラム(青い山なりのグラフ)の勢いは衰えており、日柄調整はよき塩梅、あくまで傾向にすぎませんが転換点を示唆する形となっています。
折しも足もと日本株は日銀の追加利上げやトランプ政権に対する不透明感から買いが手控えられており、日銀会合の0.5%追加利上げを日経新聞が報じたことで市場には織り込まれ、会合当日は悪材料出尽くしで後場から上昇が期待できようとの状況も相まって、転換点を期待しやすい地合いではあります。
② PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめます。
- 日足:トリプルボトム形成の線は依然あり、反発期待は残るが、移動平均線すべて下向きの下落トレンド
- 週足:8月安値の2,400円割れを回避できれば反発が期待できる正念場(割れると底抜け、下落加速リスク高まる)。MACDは転換点を示唆
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点からは、下値めどは1,900~2,500円程度という値が算出される
「日足は週足にまかれる」という格言があるように、教科書的には日足より週足のほうが重要視されます。
なお繰り返しながら、長期保有を前提とした株式投資であればテクニカル的にどのようなサインが点灯しようと構わず座して待つだけでよいことになりますが、もし短中期目線であれば、テクニカルをひとつの指針となるのではないかと考えられます。
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