日本株の信用取引を1年近く続けた感想文
ずばり、以下です。
- 強気相場なら心地よいが、レンジ相場では金利負担が気になる
昨秋から信用取引をはじめました。理由は当時も記したように、日本株の騰勢が強くなるという目算があったからです。のちにその波に乗り、利益を伸ばす結果となりました。
したがって当時は信用取引が心地よく、相場全体としての地合いもよかったので、利益をあげやすい構図でした。
しかし今春からは日本株は金融政策の変更や期初予想の業績が保守的であることなどからレンジ相場に入っています。
そのような状況で感じやすいのは、ずばり「金利負担」です。なぜなら、信用取引は金利負担が生じるからです。野村なら0.5%でよいですが、SBIや楽天などのネット証券大手では2.8%とられます。
仮にレンジ相場で利益をあげられなければ、毎日金利分がマイナスに効いてきます(ただし考え方次第、後述)。
したがって、冒頭の通り「強気相場なら心地よいが、レンジ相場では金利負担が気になる」という心境に至るわけです。
たとえば信用で7,000万円ほど運用していると、金利だけで1日6,000円弱、年間200万円とられます。
とはいえ高配当株に投資して配当で相殺できればあまり気にならない、といった考え方も可能ではあります。
基本的に購入から一年経たずに配当を受け取る(権利落ち日直後に株を買うことはほぼない)ため、実質的に配当利回りを年換算するとたいてい2.8%を上回ることになります。
(たとえば信用の金利は365日で2.8%ながら、配当はそれより少ない日数で1〜5%なので365日換算にするために配当を受け取る日までの日数を365に割り戻すと2.8%を超えやすい)
したがって、考え方次第ではあります。
信用取引をはじめた当初も記したように、信用はあくまで「勝ちをさらに伸ばす」ための道具であり、地合いがよろしくないときは信用のポジションは縮小させるかたちが、リスク管理の観点からも心地よさの観点からも吉と思います。
よって、今月はサイバーエージェントやジンズホールディングスを利確して、信用ポジションを現引きし、縮小することとしています。
まとめ
以上から、信用取引を1年近くやってみて感じたことは以下です。
- 強気相場なら心地よいが、レンジ相場では金利負担が気になる
- ただし配当で相殺できるため、やり方・考え方次第では負担感をなくすこともできる
相場全体の見通しとしては、年末にかけて企業側の期初の保守的な業績予想が市場予想に近づくかたちで改善されていけば、日本株は中長期的には上昇余地が出てくるとの想定を維持したいと思います。
また、実質賃金がプラスに転換すれば、日銀が金融政策を転換(=利上げ、QT)したとしても好意的にみなされやすいと考えられ、実質賃金などのマクロ経済指標も重要になってくると考えます。