高値から30%下落、高配当・増配株「フューチャー(4722)」は買いか

株価チャート(出所:Yahoo!ファイナンス)
独立系ITソリューショングループの「フューチャー(4722)」を購入しました。
同社の現在の状況は、以下のポイントに集約されます。
- AIシフト
- DX・AI伸長が商機、顧客は多業種
- EPS成長○
- 株主還元○
- 社長の経営姿勢
- 配当利回りは過去平均より高い
- ダブルボトムを形成するか
DXが商機になる企業
- DX(デジタル技術による変革)が商機になる企業なので、顧客が多業種にわたることが特長です。それだけ伸びしろがあるとも考えられます。
- コロナ禍では、アンジェス・阪大と組んで医療開発に携わるなど、医療分野にも拡大。
基幹システムというストックビジネス
同社の最大の特徴は、下図にもあるように「ないものはつくる」という課題解決に対する積極性かと思います。
具体的には、
- アパレル業界向けの基幹システム開発、
- 流通分野は佐川急便・ローソン・ABCマートなど大手企業基幹システム、
- 金融分野は地銀のシステム構築(SBI地方創生バンキングシステム、福島銀行・島根銀行)
など、基幹システムを提供しているので、保守・サービスといったストックビジネスの色彩がみられます。
「AIシフト」という戦略
そしてAIシフトを進めていて、2018年AI技術に特化した専門組織「Strategic AI Group」を新設し、昨今では生成AIを用いてITコンサルに活用。
個人的には「AIシフト」が注目ポイントです。
サイバーエージェント、楽天、ソフトバンクグループ。これら企業もAIシフトであり、今後の生成AIの伸長に沿って成長を期待する場合には適した銘柄群と考えられます。
社長の姿勢:政権との関わり、農業の輸出振興
同社の金丸社長は、菅政権の下で発足した『成長戦略会議』(委員8人で構成)のメンバーでした。
これは「損得の話ではないので」との本人弁で、「産業界、大学、農業界に問題は山積しており、その問題の根源とは何かを突き詰め、知恵を振りしぼって、解決策を見つけ出すという営みをしている」との旨を語っています。
以下のように農業に対しても提言し、販売力の強化にデジタル化を、というのが金丸氏の持論。
農業人口は減り、農家の平均年齢は67歳と高齢化し、後継者不足に陥っている。どう農業の生産性を高めていくかという深刻な課題に直面。
これから農業はどう生き抜くのかを考えた場合、輸出戦略が不可欠。海外市場の開拓がどうしても必要になってくる。
- 金丸氏は座長時に、農業生産法人に対する民間企業の出資限度額を25%から50%に引き上げる考えをまとめあげた。これも日本農業の輸出競争力を引き上げるねらいだ。
- 「日本の農業は生産面ではピカイチ。しかし、自前の販売網を持っていないことが弱み」
- 丹精込めて作った農産物が、市場でセリにかけられ、価格は常に市場主義の変動にさらされる。シワ寄せは生産者へ。そうした構造を一歩抜け出していく工夫を見つけようという金丸氏の呼びかけ。
残念ながら、日本人は自分たちの可能性に気づいていないだけでなく、可能性を自己否定しているようにも感じます。
財界オンラインより
金丸社長のインタビューは、こうした国家観・大局観をのぞかせる発言が多く見いだせます。
株主還元に積極的

売上高・営業利益(出所:マネックス証券)
こうした成長企業は株主還元に消極的な傾向がありますが、フューチャーに関しては積極的です。
1株配当の推移

筆者作成
9年連続増配で、同社は「配当性向35%以上を目安」と掲げており、毎年40%程度で推移しています。
実績配当利回り:高い水準

出所:マネックス証券
また、実績ベースの配当利回りは歴年より高い値で推移しています。この観点からは割安である可能性があります。

株価チャート(出所:Yahoo!ファイナンス)
直近のチャートはダブルボトムを形成するかどうか、というところ。
まとめ
- AIシフト戦略
- DX・AI伸長が商機、顧客は多業種
- EPS成長○
- 株主還元○
- 社長の経営姿勢
- 配当利回りは過去平均より高い
- ダブルボトムを形成するか
「フューチャー」というとなじみがないかもしれませんが、前社名「フューチャーアーキテクト」なら知ってる方も多いかもしれません。私の同級生も就職していました。
いま、名の通ったIT界の経営者は一様にAIシフトを鮮明にしています。フューチャーもその1つで、AI伸長に賭ける戦略ならば、投資に適すると考えます。
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ほかサイバーエージェント、ソフトバンクなどもAIシフトを掲げる企業群の1つです。
高配当か増配か、でいうとフューチャーは「中配当・増配銘柄」であり、今後の成長が持続する前提を置くならば、長期投資に適した銘柄ということになります。