自炊する人が減っている? 料理は自己肯定感を生む大きな要素
自炊をしない人が増えているようです。メディアでは以下のような声も聞かれます。
- 「もっぱらウチは冷凍食品」
- 「コンビニで買います、おいしい」
身近なところでは、家族の勤務先で、「お弁当を持ってきているのは自分だけで、それ以外の人はコンビニ弁当の人が多い」のだとか。
私の職場でもたしかにそういった場面はありました。
忙しい現代が示す世相
世相的にそうなりやすい面もあるのだと思います。
- 「仕事、育児、家事に追われ、自炊してる時間なんてない」
そういう状況にある人が多いことは、想像に難くありません。なのでしかたない部分もあると思います。「だれもそうしたくてしてるんじゃないのよ」と。
冷凍食品、コンビニ。便利です。しかし便利な反面、料理をする機会は一般的に減っていくのかもしれません。
自炊で気づくこと
自分で料理をすることで、見えるものもありますね。
- 鮭チャーハンを作るときに、「鮭をほぐすのって結構手間なんやなぁ」
- エビチリを作るときに、「エビの下処理って大変やなぁ」
今まで料理をしてくれた親や配偶者に感謝するきっかけにもなるでしょうし、ひいては食材が手に届くまでの経路で不可欠な生産者や流通業者に感謝するきっかけにさえなると思います。
他者への依存を減らして、生まれる自信と確固たる自己
なにより、人間として生命維持に不可欠な「食べる」という行為において、できるだけ多くの工程(つまり、生産→収穫→調理→食べる)を自分でやることが、根本的な生存面での自信を生むと思います。
だいたいのことに言えると思うのですが、「なにかを完遂させるために不可欠な工程を他者に依存すればするほど、そわそわしてどこか落ち着かない」と思うのです。
言い方を変えれば、たとえば、「生きるという行為に不可欠な工程(生産→収穫→調理)を他者に依存すればするほど、地に足の着いた生き方や考え方をしづらくなる」。
逆に自分のお腹を満たすための方法を知るなり、仕組みを構築するなりしておけば、「なにかあっても大丈夫」と思えるはずです。
生産や収穫はハードルが高いと思います。畑を所有したり、農家さんとルートを確保しておく等にかぎられるでしょうから。しかし調理ならハードルはそれほど高くないはずです(むろん、個々の事情によりますね)。
料理は人間の生存において根幹をなす行為ですから、他者に提供すればよろこばれ、自己肯定感も芽生えます。自分の料理がおいしく作ることができれば、「明日は何つくろかなぁ~」とたのしみにすらなり、それだけでも大きなハッピー要素です。
ひとつ確実に言えることは、人間は食べたものによってできています。料理とは、「自分を形成する食べものを、自分で選択することでもある」のではないでしょうか。
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対極的に、「時間を惜しんで外食ですべて済ませる」という考え方もあるようですね。