【FDS銘柄分析】ファクトセット、約40年連続増収、高増配率の成長企業

【FDS銘柄分析】ファクトセット・リサーチ・システムズ、2桁増配率を維持する成長企業

ファクトセット・リサーチ・システムズ【FDS】は三菱サラリーマンが買付候補としてウォッチしている銘柄です。

よく日経新聞のデータ出所に「QUICK・ファクトセット」と見かける通り、日本ではQUICKと提携しており、金融機関のアナリストや投資銀行部門等に金融データ・や投資判断に資する企業分析などを提供する市場調査会社です。

競合がブルームバーグ(BLOOMBERG)やトムソン・ロイター(THOMSON REUTERS)と聞けばピンと来るかもしれません。

【FDS】基礎データ

FDSの基本情報は以下の通り(2019年5月23日時点)。

社名(和文) ファクトセット・リサーチ・システムズ
社名(英文) FactSet Research Systems Inc.
ティッカー FDS
設立日 1978年9月
本社所在地 米国コネチカット州
従業員数 9,571人
セクター 工業
連続増配年数 20年
配当利回り 1.0%
直近4年平均配当利回り 1.1%
直近3年平均増配率(年率) 13.2%
直近5年平均増配率(年率) 12.8%
配当月 3, 6, 9, 12
1株配当 $2.88
1株調整後利益 $9.61
配当性向(調整後EPSベース) 30.0%
PER(調整後EPSベース) 28.9倍
株価(2019/5/24時点) $278.10

高い増配率・低い配当性向・高いPER、ということで、ある意味典型的な成長企業の特徴と言えます。

とはいえ、FDSの場合は後述の通り配当以外にも自社株買いに非常に積極的です。

【FDS】事業内容

サービス提供対象は以下の通り、主に金融関連に従事する人々向けであることがわかります。

  1. 機関投資家
  2. データサイエンティスト
  3. 金融アドバイザー
  4. ヘッジファンド
  5. ITエンジニア
  6. 投資銀行業
  7. ポートフォリオマネージャー
  8. PE(Private Equity)

【FDS】株価と配当利回り推移

過去13年間

過去5年間

ご覧の通り、株価は5年で約3倍と急伸。過去の配当利回り推移としては2.5%程度を頂点に現在1%前後です。増配率が2桁を維持するファクトセットですが、株価の上昇率がその増配率を上回る程力強いため配当利回りは低下傾向です。

2006年からの平均配当利回りは1.18%であり、低配当です。しかし増配率は後述の通り安定して2桁を維持します。

【FDS】配当と配当利回り推移

株価は5年で約3倍、配当は5年で1.7倍とこちらも堅調。

【FDS】売上高・営業利益・純利益

FDSの①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージンを見てみましょう。

FDSは売上高は5年で倍増するなど、売上高・利益共に成長性が見られます。

一方で営業利益率は低下傾向、営業CFマージンは横ばいからやや低下傾向も、その数字自体は非常に高く、30%弱と水準自体は高いです。

【FDS】キャッシュフロー推移

営業CFがほぼそのままフリーCFとなる理想的なキャッシュフローです。フリーキャッシュフロー自体も右肩上がりであり、後述の通りフリーキャッシュフローマージンも非常に高いです。

【FDS】フリーキャッシュフローマージン比較

米国株随一のフリーキャッシュフローマージン(FCF÷売上高)を誇る製薬大手アッヴィ【ABBV】や同業他社のトムソン・ロイター【TRI】と比較してみましょう。

FDSはさすがにABBVほど高くはないものの、同業のTRIより遥かに高いFCFマージンを創出しています。収益力は安定して高いと言えそうですね。

【FDS】増配率の推移

ここ5年間の増配率は12%か13%と判を押したように安定的に高増配を続けています。勿論、高増配の背景には業績の伸長があります。

【FDS】配当安全性

1株あたりのフリーキャッシュフロー(FCFPS)が、1株あたりの配当(DPS)を大きく上回っていることがわかります。配当安全性も特段問題ないように見えますね。

更にFCFPS-DPSが上昇傾向なのも良いです。増配余力は引続き維持していると言えます。

【FDS】自社株買い

FDSの発行済み株式数は10年間で20%も減っています。めちゃくちゃ自社株買いしてます。

間違いなく株価上昇の一因となっているでしょう。

【FDS】 配当落ち日・配当基準日・配当支払い日

配当支払日は概ね3・6・9・12月の中旬から下旬にかけてです。

配当落ち日 配当基準日 配当支払日 配当
2/27/2019 2/28/2019 3/19/2019 0.64
11/29/2018 11/30/2018 12/18/2018 0.64
8/30/2018 8/31/2018 9/18/2018 0.64
5/30/2018 5/31/2018 6/19/2018 0.64
2/27/2018 2/28/2018 3/20/2018 0.56
11/29/2017 11/30/2017 12/19/2017 0.56
8/29/2017 8/31/2017 9/19/2017 0.56
5/26/2017 5/31/2017 6/20/2017 0.56
2/24/2017 2/28/2017 3/21/2017 0.5
11/28/2016 11/30/2016 12/20/2016 0.5
8/29/2016 8/31/2016 9/20/2016 0.5
5/26/2016 5/31/2016 6/21/2016 0.5
2/25/2016 2/29/2016 3/15/2016 0.44
11/25/2015 11/30/2015 12/15/2015 0.44
8/27/2015 8/31/2015 9/15/2015 0.44
5/27/2015 5/29/2015 6/16/2015 0.44
2/25/2015 2/27/2015 3/17/2015 0.39
11/25/2014 11/28/2014 12/16/2014 0.39
8/27/2014 8/29/2014 9/16/2014 0.39
5/28/2014 5/30/2014 6/17/2014 0.39
2/26/2014 2/28/2014 3/18/2014 0.35
11/26/2013 11/29/2013 12/17/2013 0.35
8/28/2013 8/30/2013 9/17/2013 0.35
5/29/2013 5/31/2013 6/18/2013 0.35

【FDS】トータルリターン vs S&P500

下図はFDSとS&P500指数の配当再投資込みトータルリターン比較です。(1997年~2019年4月)

意外にリーマンショックでだいぶ落ちています。イメージ的には不況になろうとも、ファクトセットのような金融情報サービスのサブスクリプション売上は底堅そうですが、投資需要自体が減退すれば、FDSのサブスクリプション売上も落ちるのでしょうか。少し意外な点です。

トータルリターン比較(年率)
年率
FDS 21.1%(22年で71.3倍)
S&P500 8.3%(22年で5.9倍)

【FDS】 銘柄分析まとめ

以上各指標などを見てきましたがFDSを特徴付ける要素は以下6つにまとめられます。

  1. 売上高は右肩上がり
  2. 自社株買いで株数は10年で20%減
  3. S&P500を大きく上回るトータルリターン
  4. 増配率2桁で依然増配余力あり
  5. フリーキャッシュフローマージン高い
  6. 但しPERは29倍と高い

こういう銘柄は成長性が崩れない限り、リセッションだろうが株式市場全体が下がろうが底堅い動きを見せることがよくあります。

逆に言えば成長神話が途絶えた時に大きく株価は修正され得るわけですが、ファクトセットという社名は日経新聞でもやたら目にするようになりましたし、「業績データや各社分析などに用いられるデータ=ファクトセット提供のデータ」という図式が出来上がりつつあるように思います。

この地位が脅かされない限りは、「ファクトセットのデータ」というそれ自体がブランド・説得力を持ち、大きな参入障壁になり得るところが、同社最大の魅力であり、ポイントであると考えます。

魅力的な銘柄です。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

公開日:2019年6月4日