「SBIホールディングス(8473)」の株主総会に参加してみてよかった
人生初となる株主総会、主力株の一角である「SBIホールディングス」の総会(正式名称:インフォメーションミーティング)に参加してみました。
おそらく通常の株主総会とは異色であろう、北尾会長の人生論や哲学などが語られた印象に残る会であったため、その概要を以下にまとめたいと思います。
会場:ホテルオークラ東京

東京 → 名古屋 → 大阪 の順で開催され、東京会場は虎ノ門にあるホテルオークラ東京にて。
北尾氏みずから力説するのは東京のみ

北尾会長みずからすべて説明するスタイル。担当執行役員による説明はなく、全事業をつぶさに把握している会長自身がプレゼンし、質疑応答もすべて担う形式でした。
名古屋、大阪については、北尾氏が後進に譲る意味合いも兼ねて、グループ会社の社長や担当執行役員による説明になるそうです。
同じ株主総会でも話し手が北尾氏とそれ以外では、内容や語り口は大きく異なるはずであり、比較のために名古屋・大阪も聞きに行きたいとさえ思うほど、濃い内容でした。
開場前の風景

12:30開場前に到着も、すでに多くの人だかり。
平日の昼下がりゆえか、参加者は年配のかた多し。

カタカナ多め。
受付は新入社員の方々に見えました。自分もやったなぁとふとおもふ。
配布物

お水が配られます。プラスティックではなく紙。
小話
北尾会長は御年73歳で温度変化に敏感だそうで、会場で送風がないようオークラに言明していたにも関わらず「風来るなぁ…、オークラに言うてんけど」とつぶやき会場では笑いが起きていました。
そのほか、歯に衣着せぬ物言いで、政治にも怖いものなしといった塩梅にて会場ではたびたび笑い。
印象に残った点
さて本題。剛腕・北尾氏による独壇場の開演です。当日の動画は後日配信される予定だそうです。
- 新生銀行の不誠実かつ自己中な経営を猛批判、SBIグループ入りで業績好転、公的資金も返済
- 世界を俯瞰し、日米における政治的大変革(下述)などを踏まえた上で戦略を練っている
- 世界の潮流に変化あり、若年層の投票が増え、トランプ氏、兵庫県知事斎藤氏の勝利の主因となった、など政局への言及もあり国家観も垣間見える
- 関西弁炸裂
とかく視点が世界規模であり、単にビジネスを展開するための経済や金融以外に世界情勢、とくに政治・政局に対する言及が多く、自身で国家観を有する憂国の人である印象を与えるに十分な発言の数々でした。
北尾氏は一部ネット上で「お金にがめつい」といった趣旨で語られるのを見たことがありますが、正反対の印象です。ご本人もそれを知ってか知らずか「お金のためにやってるんじゃない」と数度言及。

出所:同社IR
SBIが掲げてきた「(手数料の)ゼロ革命」についても、証券業界の古い慣習(顧客主義よりも手数料ビジネスによる自社主義)を打破することを念頭に置いてきたのだそう。
米国のようにPFOF(ペイメント・フォー・オーダー・フロー)と呼ばれるマーケットメイカーを介した体制によって手数料無料化の原資とする方法を念頭に
北尾会長は兵庫県ご出身だそうで、なるほど確かに関西弁がちょいちょいというかだいぶ出ていて親近感。後述しますが、新生銀行に対する買収前の元経営陣に対して口角泡を飛ばしていました。
株主総会というと基本的に自社の業績や展望に対する言及が主たるものかと思いますが、いやはや豪腕の北尾氏、まったくもってそうした紋切型ではなく、ご自身の思いの丈をも語る会であります。
私はその内容に共感多々。理念、哲学、大義――。そうした日本ですわ失われつつあるかに見える精神を滔々と語る姿が印象的でした。以下語録もご覧ください。
会長語録
以下印象に残った語録です(細かい言い回しは若干異なる可能性あり)
「日本のコメンテーターと称する連中が、ハリスが勝つとか言ってたけど、結果どないなった?」
「植田さん利上げするかと思ったら、学者やねんなぁ、度胸のないおじさんやなぁ。僕だったら金融正常化進める」
「円安は国力低下を反映」
「一人当たりGDP36位の日本が、なんで1兆円をウクライナに持って行って、能登の復興がこんなんなんや、政治家は何をしとるんや。北尾さんそんなこと言って大丈夫ですかとか言われるけどね、僕はもうこの年やし、日本に思うことを言っていく」
「(半導体大手PSMCとの工場建設が頓挫した件で)PSMCと別れて大正解、天に助けられた、あのまま行ったらえらいことなってた。ソフトバンクの孫さんにも、北やんなんであんなとことやるんや、と言われてた。半導体は勉強不足やった、あとで気づいた」
「(SBI新生銀行の株主構成の話のくだりで)村上世彰さんは元通産省だけあって大義を重んじる人」
「(新生銀行をSBIが買収する前は)20年も公的資金を返さない泥棒のような経営陣、2,444億円を投じて買収して利益700億超えまで成長させた、投資効率は素晴らしい、しかし金のために買収したんじゃない。社員にも株主にも報いない泥棒のような経営陣は許されない」
「低金利は国民が損する」
「この年になってお金持っててもしゃあない。なにするか、寄付。大学に行かずとも大学院に入れるように作った、知識だけでなく人格養成の面も。福祉など(以下失念)さまざまなことやってきた」
「仮想通貨の著書、要点が網羅されている。読んだらいいと思う」
日本の政治腐敗、経済や国力の凋落が著しいことを憂い、何ができるか。金融業界の範となるべく新生銀行が長年返済していなかった公的資金を返済することを買収後にまず掲げて事を進める。そうした内容も印象的でした。
まとめ
やはり理念、哲学、大義。そうした精神は胸を打つものがあります。
同社トップの視座や物言い、人生観に共感する点が多々ありました。ゆえに昨年から主力株の一角に据えていてよかったとも思いました。
老境に入り、守りに入る必要もなく、攻めに徹することができることも一因にあるのではないかと誠に勝手ながら推察する部分もありました。
御年73歳の会長本人も言っていましたが、次期会長となる人物は、これだけ多角的な業容を深く広く理解していなければならないと。
ニデックやソフトバンクグループもそうでしょうけども、後任をはたして誰が担うのか。北尾会長もよそから招聘するなら「相当勉強家でないとあかん」と言っていたように。
「ぼくの役割は、たとえば証券業界の現状をこうして多くの人に伝えることだと思う」
私がとくにFIRE前に発信してきたこと(例:預金ではなく資産所得を得よう等)を思い出し、考えさせられる発言でもありました。またぜひ参加したいと思います。
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