直近3年のオルカンの円建てリターンの8割は「円安」によるもの
先日、以下趣旨の投稿を見かけました。
「オルカンに投資し、2020年12月から3年で資産が1.5倍に。オルカンへの投資でじゅうぶん。投資に時間をかけなくてすむ」
ふむふむ…。
こりゃたしかにオルカンでじゅうぶんやないか〜。
投資にかかる時間もないし、家族や人生の時間も優先できる。
…と思ったけど、いやちょい待てよ。
けっこう円安の影響でかいんちゃうやろか…?
ということで、
- オルカン・ドル建てETF(iシェアーズ MSCI ACWI ETF)
- オルカン・円建てETF(2559)
を比較してみました。
直近3年のオルカン円建てリターンの8割は円安によるもの

緑赤:ドル建て、青:円建て
2022年から急に「円建て価格が、ドル建て価格より相対的に強い」ことがわかります。
それもそのはず、2022年3月(ドル円レート:115円)から円安が進んでいるからです。
この3年で比較すると以下のようになります。
- オルカン・ドル建てETF
+11.82% - オルカン・円建てETF
+ 56.97% - ドル円レート:+40%(107円 → 147円)
①~③より、この3年のオルカン円建てリターンの8割は円安によるものだったことがわかります(オルカンの元指数ACWIを見ても同様)。
オルカンは実質的に外貨建て商品
ちなみに、オルカンはドル建ての株式にもユーロ建ての株式にも投資し通貨分散がされます。
ただ、構成比率の60%は米国株である以上、オルカンの6割はドル建て通貨圏に投資することを意味します。
「eMAXIS Slim 全世界株式」などは円建てで表示されるので誤解されがちですが、全世界株式はあくまで主として「円建て経済圏ではなく、外貨建て経済圏へ投資する商品」ですね。
以上から、日本人からすると「オルカンは為替要因のうち、少なくとも約6割が為替(ドル円レート)の影響を受けることを意味する」とまず整理できます。
さらに、この3年はドル円だけでなくクロス円(ユーロ円や豪ドル円など)全般で円安が進みました。
その他通貨に対する円安を加味すると、少なくともオルカンの円建てリターンの過半が為替要因であったと結論づけられます。
ここまで理解すると、オルカンの直近リターンの見え方がまったく異なってくると思います。為替要因を認識しておく必要がある、ということですね。
円高局面では逆にリターンが弱含む
逆に言えば今後もし円高となれば、オルカンやS&P500など、ドル経済圏または外貨建て経済圏に投資する商品の円建てリターンは弱くなります。
まとめ
- オルカン・ドル建てETF
+11.82% - オルカン・円建てETF
+ 56.97% - ドル円レート:+40%(107円 → 147円)
①~③より、この3年のオルカン円建てリターンの8割は円安によるものだったことがわかります。
もちろん、為替要因があるという側面はオルカンに限らずほかの外貨建て商品にも言えることであり、本記事はオルカンの有用性を否定するものではありません。
全世界に簡便に投資できる優れた投資商品であり、多くの人々にとって適した投資対象となりうるはずです。
ただ、情報に接するときは自分なりに咀嚼できると情報に振り回されにくくなり、主体的に判断しやすくなりますね。
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ほかオルカンのリスクとしては、「紛争が起きて、紛争当事国の株式組み入れ比率が高いケース」が挙げられます。