米国で株安と債券安が同時に起きている

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米国長期金利の上昇が気になる

まず前提知識として、通例であれば今回のような株式等のリスク資産が下落する局面では、いわゆる「質への逃避」と言って、安全資産とされる米国債が買われる傾向にあります。米国債10年が買われると、長期金利の利回りは下がります。

3日前までまさにそのような動きでした。しかし、この2日で起きたことはこれと反対で、10年国債の利回りが急激に上昇しているんですよね。つまり、米国債がかなり売られたということです。

この変化はやや気になります。世界最大のヘッジファンドを率いるレイ・ダリオ氏はかねてより、

  1. インフレ
  2. 債務膨張
  3. 金利の高止まり

が同時に起きると、国家の衰退期に突入し、デフォルト(債務不履行)のリスクが高まるとしています。

この指摘は、彼が今までの国家の破綻をいくつかの事例で調べた際に、かような結論に達したと。

私もブログで以前から「日米の政府債務は多く、臨界点はいずれは来るだろうが、いつ来るかはわからない」という旨を、新大陸の銀貨暴落の一例をふまえて記してきました。

(ただしあくまでこのシナリオは「テールリスク」つまり、起こる確率は低いが起こると甚大な影響及ぼすもの、との位置付けではあります)

今回の金利の調整が、米国の財政に対する信任の低下の表れとして起きているならば、少し考えを変える必要がでてきます。

これまでのように単純に米国株、あるいはS&P500のみに投資するだけでなく、通貨と投資先国家の分散、加えて資産クラスの分散、つまりゴールドや不動産などの実物資産が、相対的に重要性が増してくる可能性が考えられます。

今回の国債売りに関しては、中国が売っているとの言説もありますが、これは米財務省が定期的に発表する国際循環統計を見てみない限り、何とも言えないところではないかとは思います。

米国債の利回りが上昇し、その利回りの高さに投資妙味を感じて買ってくる人々等がいないと、ちょっと気になる展開ではありますね。金利動向にも目を配っておく必要があると思いました。

もっとも、FRBが利下げに動けば(または利下げの織り込みが事前に進めば)、バランスシートの拡大と引き換えに債券市場はいったん落ち着くものとは思いますが。

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