Jリートは依然として割安感が強い

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Jリートは依然として割安感が強い

日経新聞に「Jリートは割安感が強い」という趣旨の記事が出ていました。

最近たびたび私も言及していることを日経新聞もようやく取り上げ始めましたね(ドヤ or どやさ)。

主旨は以下のようにまとめられると思います。

  • 割安感が強い
    NAV倍率:0.81倍
    (2002年以降平均の1.13倍を大きく下回り、過去の下限に近い。理論的にはREITを買収して保有不動産を売却すれば利益を得られる状態)
    分配利回り:4.8%
    (コロナショックを除くと12年以降で最も高い水準)
  • 人口減少に基づく弱気論は当たらない
    弱気論の根拠として挙げられるが、Jリートの保有物件は人口が流入する都市部中心。不動産市場は都市部と地方の格差大きい。海外主要都市に比べて割安感あり、東京圏や大阪圏ではオフィスビル賃料の上昇が続くと期待できよう
  • 財務健全性は良好
    過去10年間のLTV40%台前半。有利子負債の平均残存年数は約4年であり、調達金利上昇に伴う大幅な収益悪化や分配金削減のリスクは高くないとみる。
  • 株主重視の姿勢が明確に
    分配金はリーマンショックでは賃収の大幅減を受け減配したが、コロナ禍ではほぼ減配なし。内部留保の取り崩しや物件売却により賃貸収入の落ち込みを吸収して分配金を維持した。親会社が資金調達などを目的として収益性の低い物件を押し付ける事例があると批判された。しかし現在株主重視の経営姿勢が広がっており、この批判は当たらないだろう
  • インフレは追い風
    米国REITも第一次石油危機(1973-74年)などには大きく下落したが、インフレが厳しかった1970年代を通じてみると、リターンは株式に匹敵する。保有不動産の価値がインフレ経済で上昇するからであると考える。首都圏を襲う巨大地震が起きる、或いは政策が大きな間違いを犯すことがない限り、金融市場の混乱に伴う流動性不足により、価格調整が長期化する展開は想定しにくい
  • 保有物件の入れ替えは妥当
    今年、J-REITは物件譲渡を増やしている。物件取得もコロナ禍後の落込みから回復しており、積極的に保有物件の入替えを行っている。株価が割安な水準にあり、有利な条件で資金調達が難しいと共に、所得物件のキャップレートが低下しているため、物件取得が利益押上げに寄与しにくいという判断があるだろう。
  • 流動性リスク
    J-REITは時価総額が14.4兆円と(24年11月)、市場規模が株式や国債に比べて小さく、投資家層が限られている。金融市場が混乱すると、買い手不在によって価格が下落しやすい。コロナ禍ではJ-REIT指数が20年2月高値から3月の安値まで49%下落した。一部の金融機関が決算前に売却するため、例年3月中旬にJ-REIT価格が下落する季節パターンが視察される

個人的にもおおむね賛同する内容です。ただ、親会社が収益性の低い物件をリートに押し付ける事例はたしかに存在すると見受けられるので、楽観視はできないように思いますが。

あとリスクとして認識したいのは、赤字部分の巨大地震のくだりですね。ほか流動性はまさにそうで、これも弊ブログで言及してきたことと繰り返しになりますが、リートは金融市場が混乱した際には株式以上に下落する事例があります。

財務健全性については、私の保有するリート群もLTVはそれこそ40%台で、かつ借入期間の長期化を進めている法人で占められ、利上げ局面で実際に金利上昇によって直接的に収益が大幅に悪化することは考えにくいだろうとの所感です。

格付けが高く、資金調達の際に信用力が高く、親会社との利益相反もおそらく起きないであろう看板を持つ三菱や三井系のリートは足もとで魅力的に映ります。

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