京浜急行電鉄(9006)は買いか、チャート・需給・指標面で現状を確認
京浜急行電鉄(9006)を新規買い。
- 所有株式数:500株
- 株主優待:電車・バス全線きっぷ8枚(年間)
本記事では以下を確認します。
- チャート:過去10年で安値圏
- テクニカル:やや安値圏
- PER、PBR:過去5年で最も割安な水準
ひとつずつ見ていきます。
チャートは過去10年で安値圏
株価は、コロナ禍や2011年以来の安値圏に沈んでいます。
日足:RSI 54
- 直近高値1,455円からは20%下落
- RSIは54なので中位であり、微妙
週足:RSI 28
- RSIは28とまずまず低位
月足:RSI 38
- 過去5年で安値圏
- RSI38:やや低位
以上から、テクニカルは以下の通りです。
- RSI30割れ:週足のみ
- MACDゴールデンクロス:日足のみ
陸運セクター全体が軟調

出所:投資の森
陸運業の指数は3月以降軟調で、JRや私鉄大手は軒並み年初来安値を更新。私鉄大手に至っては過去10年来の安値を更新する企業が相次いでいます。
その背景には、以下を考えたいと思います。
- 鉄道業は設備投資が多額で負債が多い業態であることから、今後の金利上昇による利子負担懸念
- ドル建て時価総額が一定水準を下回ったことでMSCI除外銘柄が相次ぎ需給悪化(小田急、東武など)
- 陸運業の空売り比率が、33業種中9位の45.1%とやや高め
指標面
予想PER、PBR、配当利回りを確認します。
PER
- 過去5年におけるPERレンジは4.0~46.4(異常値感あり)
PBR:割安圏
- 過去5年におけるPBRレンジは0.88~2.27で、足もとは最も割安な水準
- 京急は私鉄大手のなかでもPBRがかなり低い(≒成長期待が低い、JRの羽田延伸で競争激化懸念か)
配当利回り:割安圏
- 過去5年で最も割安な水準
需給:信用倍率は高止まり、または頭打ち
株価下落に呼応するように、信用倍率は悪化しています。したがって、個人投資家による需給の観点からは、株価が弱含む要因と言えます。
ただし信用倍率が直近1カ月で同等の水準であることから、それより以前と比べると「高止まり」とも言えますし、一方で直近1カ月だけを見れば「頭打ち」とも言えます。
メルカリが大底をつけたときが一例となりますが、たとえ信用倍率が高くとも大底をつけることはあります。ただ、メルカリの場合は機関の空売り残が個人の買い残よりも大規模だったことが一因として挙げられます。
京急は機関の空売り残は足もとない(正確には1社あたり0.5%以下である)ため、需給の観点からは個人の買い残が多い「買い長」であり、株価の上値が重い要因といえます。
まとめ
以上から、以下のようにまとめられると思います。
- チャート:過去10年で安値圏
- テクニカル:やや安値圏
- PER、PBR:割安な水準
- 需給:個人の買い残が「高止まり」or「頭打ち」
また、鉄道株が軒並み安値に沈んでいる現状について、以下の背景が考えられると思います。
- 鉄道業は設備投資が多額で負債が多い業態であることから、今後の金利上昇による利子負担懸念
- 鉄道は国交大臣による運賃認可制という制約があり、インフレ下でも値上げの障壁があることへの懸念
- ドル建て時価総額が一定水準を下回ったことでMSCI除外銘柄(小田急、東武)や除外見込み(近鉄)が相次ぎ需給悪化
鉄道株が全般的に直近やや指数より相対的に強い局面がちらほら見られ始めているように感じられるので、相鉄と同様にいったん買いを入れてみました。
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