【鹿児島 探訪記】霧島茶の農家さんを訪問
霧島温泉で有名な鹿児島県霧島市を探訪しましたので、レポートを配信申し上げます。
有機栽培の霧島茶を販売する「霧島製茶」さんを訪問しました。おばさまと話しているうちに、お茶やお茶農家さんの事情について教えていただきました。
甘みが強いお茶の品種
お茶にも品種がいろいろあり、甘みが強いのは以下だそうです。
- あさのか
- あさつゆ
- おくゆたか
- このうち、「有機栽培 おくゆたか」「有機ほうじ茶」を買いました。とくに「おくゆたか」は甘みが絶妙で最高に美味しいです…。ネット販売がないようで、現地で買うしかなさそうです。
- おいしいお茶は、日常的を彩ります。ほっと一息リラックスできて、心地よいですね。
以降、お茶農家さんから教えてもらった情報を紹介します。
お茶の豆知識
- 植えて摘むまで5〜6年。やぶきた茶が80~90%を占める
- 新茶とは、その年の最初の新芽を摘んだもの
- 八十八夜とは、立春から88日目が5月2日に摘んだもの
早く収穫できる知覧茶、寒暖差のある霧島茶
- 知覧は南なので、早く新芽が出る
- 霧島は山間部なので、1週間遅い、寒暖差が大きく味わいが異なる
- 鹿児島のお茶では知覧茶が有名で、農林水産大臣賞など受賞歴あり。だからこそブランド化して単価が割高なことも
ちなみに、「南なので早く新芽が出る」と聞いて、和歌山の梅を思い出しました。かつて小田原は梅が盛んでしたが、「南に位置する和歌山のほうが収穫時期が早いことから、しだいに競争力を失った」と神奈川の梅農家さんが話していました。
有機のお茶:農家さんが値付けできて、海外輸出も
霧島茶 農家さん
- 普通のお茶を出しても単価が安くて、お茶農家は生活できない
- 昨今はお茶を急須に入れる人が自体が減っている
- 市場に出すとラク。しかし相場があって、自分で値付けできないうえに、たくさん収穫できると買い叩かれる
- 有機茶は海外との取引も有利。市場と違って相対取引で自分で値付けができる。
- 海外取引は20年以上前にドイツと合弁会社を作った。5kg から始まり、当初は空便。今では6〜7トンを海外(タイ・ドイツ・カナダ・アメリカ・オーストラリア)に船などで輸出している。輸出書類が煩雑で大変。
普通のお茶だと生計が成り立たないほど単価が安いというのは、驚きでした。そして、昨今は急須でお茶を淹れる人が減っているというのも意外です。私は緑茶好きで、急須で淹れます。
そうした背景もあってか、日本茶は海外向けが増えているようです。
関連記事:急須のお茶…飲む人減少も「日本茶」輸出“4倍”に ニューヨークでは茶道教室も開催
また、たくさんできたら買い叩かれるというのは、お米や野菜と同じですね。鹿児島の白菜も、たくさんできたら畑に打ち込む(≒廃棄)そうです。
農家も国際化
農家さんというと、ドメスティックなイメージですが、この農家さんのように海外へ積極的に開拓するかたもいるのですよね。もう1軒、鹿児島の農家さんを訪ねましたが、JICAの研修で欧州に行ったそうです。
いまや農家さんもグローバルに、ということでしょうか。
まとめ
欧州は健康意識が高く、有機栽培への関心が高いそうです。だからこそ「国内よりむしろ海外向けに有機栽培をしたほうが採算が立つ」というのは興味深かったです。
また、欧米では、日本のように日常に溶け込んだ飲みものというよりかは、ティータイムでケーキと食べる嗜好品に近いそうです。つまり、こだわる人はこだわると。
日本でも有機野菜は高いので、需要が限定的で、卸さずに直接顧客に売ると野菜農家さんから聞いたことがあります。消費者の財布事情と健康意識に変化があると、需要も変わってくるのでしょうね。
なんせ購入した霧島茶が美味しいです。多少値段は高くとも、こういったものにはお金をかけたいなと思います。