強い1月雇用統計でドル高・金利高へ巻き戻しも、S&P500は反応薄

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強い雇用統計でドル高・金利高へ巻き戻しも、S&P500は反応薄

米1月雇用統計は、インパクトのある数字が出ましたね。

非農業部門雇用者数は前月より「 51.7万人 増加」し、市場予想の「 18万人 増加」を大きく上回りました。

市場予想の3倍近い数字でしたから、インパクトがあります。

平均時給の低下傾向は変わっていない

ただし、

  • 非農業部門雇用者数」は、下図上段のとおりインパクトがある数字が出たものの、
  • 平均時給」は、下図下段のとおり低下傾向が続いています。

これまでインフレに強く粘着的に作用するのは、「平均時給」でした。FRBメンバーは、「賃金インフレがあると、インフレ退治に手を焼く」といった考えが根強いとされるため、雇用統計のなかでも「平均時給」は注目されます。

したがって、平均時給の低下傾向が続いている以上は、「大きな趨勢(=利上げ停止、米金利の先安観、米国株の先高観)は変わらないのでは」といった見方はできます。

株式市場の反応:限定的

現にS&P500の下げ幅は、1.04%と限定的でした。

為替市場の反応:大

対して為替市場の反応は大きいものでした。

ドル円は市場のコンセンサスがドル安だったこともあり、ドル売りポジションが積みあがっていたところにドル高要因となる雇用統計が出ました。

このように、市場のコンセンサスと反対の数字が出ると、多くの投資家が反対売買(損切り)を迫られ、相場が一気に動く傾向があります。

ドル円は 128円 から、一気に 131円 へ。押し目もほとんどない非常に強い上昇となりました。

所感

ただ、雇用統計の結果を受けて市場の従来の「年後半の利下げ観測」がどのように今後変化するのかは見ておきたいところです。

先日のFOMCでFRBパウエル議長は、記者会見で利上げへの強い姿勢を示す一方で、年内の利下げ観測に含みを持たせました。「あくまで今後の金融政策は、今後の経済指標次第」といったところ。

利下げ観測が強まれば、米国株のなかでも成長株主体のNASDAQに支援的でしょうし、逆に利下げ観測が後退すれば、とくにNASDAQには不利と思います。

引き続き米国個別株は買いポジションを維持し、適宜為替ヘッジを図るか臨機応変にできればと思います。

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