金(ゴールド)へ投資できるETF、どれがおすすめか
私は今までゴールドについては、NY市場に上場する【GLD】を通じて保有していましたが、今般【1540】に乗り換えることを検討中です。
その背景を記しておきます。
ゴールドの特長と傾向
ゴールド(金)は、普遍的な価値を持つ希少財として価値の上昇も見込めますが、同時に以下のように「資産保全」の色彩も強い投資対象だと考えられます。
- 資産規模が拡大した時の分散先
- 金融資産とは異なり、実体のある実物資産
- 既存通貨に対する代替資産・リスクヘッジ
- 戦争やインフレなど有事の際のリスク分散
過去の傾向として、金価格は以下のとおり、主に金融政策とインフレから影響を受けます。
- インフレになると、金価格は上がりやすく
- (長期)金利が上昇すれば、金価格は下がりやすい
以上が、金の特長と傾向です。
ゴールドへ投資する方法
ゴールドへ投資する方法は、以下3つに大別できます。
主な取り扱い | |
---|---|
ETF | ニューヨーク市場、東京市場 |
現物 | 貴金属店、地金商 |
純金積立 | 田中貴金属、三菱マテリアル |
これらのうち、私はETFでゴールドを保有しています。
理由は、売買の機動性が高く、手数料が安いためです。
ゴールドへ投資できるETF(【1540】【GLD】の比較)
【1540】 純金上場信託 (現物国内保管型) |
【GLD】 SPDRゴールド・シェア |
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上場先 | 日本 | 米国 |
運用会社 | 三菱UFJ信託 | ステートストリート |
経費率 | 0.49% | 0.40% |
通貨 | 円建て | ドル建て |
最も大きな違いは、上場先と運用会社です。【1540】は日本、【GLD】は米国です。
- 国内完結型
- 経費率が同等
ロシアのウクライナ侵攻(2022年)によって顕在化したリスクは、「米国の意に沿わない国は金融市場から排除されうる」ということです。
ETFのメリットの1つに「上場しているがゆえに、機動的に売買できる」ことが挙げられます。しかし米国の政治的判断を背景として、そのメリットが消失する(つまり金融取引が突如として中断されうる)リスクが顕在化しました。
日本は現時点ではアメリカの友好国(というか国防という国家的中枢機能の相当程度を依存してしまっている保護国に近い)ですが、今後ずっと友好国である保証はありません。「国内完結型の方が安全性を期待できる」という考えです。
両者の経費率に大差があれば別でしたが、幸い同等です。
ちなみに、【GLD】の東証上場分に【1326】SPDR® ゴールド・シェアがあります。ただし東証上場とはいえ実質的には同一ファンドが母体であると考えられ、1326を選ぶ積極的理由は見いだせません。
ゴールド(金)は、普遍的な価値を持つ希少財として価値の上昇も見込めますが、同時に以下のように「資産保全」の色彩も強い投資対象だと思います。
- 資産規模が拡大した時の分散先
- 金融資産とは異なる実物資産
- 既存通貨に対する代替資産
- 有事の際のリスク分散
そのような投資対象において、政治リスクやカントリーリスクはできるだけ避けたいと考えています。ゆえに【GLD】から【1540】のほうがよいと現時点では考えています。