米国株をさらに一部売却した理由

米国株を一部売却した理由

2021年末にかけ現金比率を上げてきたことはブログで何度か述べてきた通りですが、今回さらに株式のポジションを縮小しています。

こんな見方もできるということで、以下記しておきます。

FOMCの内容

FOMCの内容は、およそ以下の通り。

  • 金融引き締め(QT)への言及(利上げプロセス後に開始)
  • QTの内容は雇用と物価によって決められる

これ自体は市場予想や定石と違うわけではありませんが、やはりというか、「今のインフレ水準を考えるとQTになるよね」というか、「もっと早くインフレの兆しはFRBとして認識していたのかもしれないけど株価への配慮や、早期利上げに踏み切ることによる大衆からの株安批判を意識していたからこそこのタイミングになったのでは」と邪推してしまうような印象です。

それぐらい7%を超える物価上昇の勢いが近年まれにみる水準(39年ぶり)だということでもあります。

米労働省が12日に発表した2021年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比7.0%上昇と、11月の6.8%上昇から加速し、1982年6月以来39年6カ月ぶりの高い伸びを記録した。連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に向け3月にも利上げに着手するとの観測が一段と高まる可能性がある。

そして今後インフレが仮に自然発生的に収まらない場合、FRBは日銀より早く難しいかじ取り(というかおそらくQTを続けるしかない)を迫られるのではないか。

FRBのジレンマ

つまり、FRBは以下ジレンマに陥るのではないかということです。

  • 金融引き締めを行わないとインフレが収まらない
  • 金融引き締めを行うと株安が終わらない

このジレンマに対して今回のFOMCでは、定石通りの回答という理解です。つまり「FRBはあくまで雇用の最大化と物価の安定を使命としているので、株価ではなく雇用と物価を見る」と。

ではインフレが高止まりするケースでどういうことが想定されるかといえば、「利上げを速いペースで実施していく」というケースです。

現時点で市場は年内に4回の利上げを予想(厳密にはFOMCの結果を受け4.8回に)していますが、4回利上げをしても1%程度です。インフレ率7%の場合、1%ではボスにこん棒で挑むような水準でしょうか。

このペースの利上げでインフレが収まらないことになれば、トランプ政権ほど株安を極端に嫌う政権には見えないバイデン政権であることも考えれば、FRBは第三者の介入がないかぎり株価への配慮なしのインフレ抑制(つまり比較的速いペースでのバランスシート縮小)に取り組むことが考えられます。

FRBのバランスシートとS&P500の関係

FRBのバランスシートとS&P500の関係をおさらいしておきましょう。

ご覧の通り、S&P500はFRBバランスシートの拡大と軌を一にしてきたことがわかります。

お金が市場に多く放出されれば、余剰資金がリスク資産(株式)に向かう傾向にあり、金融緩和と株価には明確な相関性があります。

これは日本でも同様で、日銀の大規模緩和(またはそれが観測された時点)を合図に日経平均が大きく上昇したのは記憶に新しいところではないでしょうか。

コロナで米国株が急回復したのは、上図丸で示した通りFRBがコロナショックを受けて2020年にバランスシートを急激に拡大(線)した要因が大きいと言えます。バランスシートを一気に倍近く拡大させる未曾有の状況でした。

今後FRBのバランスシートが縮小(金融引き締め)を始め、その状態が継続するケースを考えれば、コロナショックの時のように米国株が急反発して上昇トレンドに戻ることは現時点のインフレ水準が続くかぎりは考えづらく、横ばい~低迷を想定しておきたいと思っています。

類例を確認

近年の似た状況も見ておきます。

FRBは以前にも2017年9月にバランスシート縮小開始を決定し、同年10月から縮小を開始していますFedのバランスシート縮小計画とその後の動向について

いつまでも金融緩和を続けているわけにはいかないので、条件がそろえば出口戦略を考えなければいけません。

当時はトータルで「償還額>再投資額」として穏やかな資産縮小を目的とされていました。しかし2018年12月に約20%の株安を受け、2019年1月のFOMCでFRBは縮小から緩和に転じる姿勢を示唆しています(当時のバランスシート・株価は、下図緑丸の通り)。

BSに関する方針発表または観測される時点で株価は織り込み始めるため、実際に実施する時点とタイムラグが生じると言えます。

そして当時FRBが緩和に転じる姿勢を見せれば株価はやはり回復に向かい、上昇トレンドに回帰しました。

では当時と同様に「株安になれば、FRBはまたバランスシート拡大に転じれば株高に転じるのではないか」と思うかもしれません。ただし当時と現在で異なるのはインフレ率です。

バランスシート縮小を示した2017年9月のFOMC時点では、インフレ率は1.9%。株安となった2018年12月で2.2%です。この水準だったからこそ当時は株安を嫌気(かつ株価に寄り添うトランプ政権)してバランスシート縮小から拡大に転じることができた部分があります。

一方、現在のインフレ水準が続く場合、今回は当時のように(BS縮小→拡大、株安→株高へトレンド回帰)は考えにくいと現時点では思っています。

まとめ

まとめると、インフレが現在のように高止まりする状況が継続するケースにおいては、

  • FRBは金融引き締めの一手しか有効な手立てがなさそうであること、
  • そしてその場合は株安が進む可能性が高いこと、
  • またコロナショック後のように急反発するケースは想定しづらいこと

が考えられます。

であれば、以上のシナリオを念頭に中期的な目線で自身の資産運用ステージを考慮すると、無理に株式のポジションをそのままにしておかなくても良いだろうという判断です。インフレ耐性もあるゴールドへ一部。

もちろん、リスクを取ってこそリターンあり。資産形成期で長期目線での成長にBETして定期つみたてをめざす方は市場局面に関わらず淡々と積み上げ続けることがひとつの戦略だと思いますし、あまねく売りを推奨する意図も本記事にはないことも念のため申し添えておきます。

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