【DUK銘柄分析】デュークエナジー、配当利回り3~7%台の高配当電力株

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【DUK銘柄分析】デュークエナジー、米電力大手の高配当株

デューク・エナジー【DUK】は三菱サラリーマンが3,000ドル投資している米国大手の電力・エネルギー会社です。

大きな成長は望めませんが、相場全体が下押しした際に反発する等、市場全体とは異なった動きをするので、ポートフォリオの一角を占めるには面白い銘柄です。

【DUK】基礎データ

DUKの基本情報は以下の通り(2019年5月27日時点)。

社名(和文) デューク・エナジー
社名(英文) Duke Energy Corp
ティッカー DUK
設立日 1917年5月
本社所在地 米国ノースカロライナ州
従業員数 30,083人
セクター 公益事業
連続増配年数 12年
配当利回り 4.2%
直近4年平均配当利回り 4.7%
直近3年平均増配率(年率) 3.9%
直近5年平均増配率(年率) 3.3%
配当月 3, 6, 9, 12
1株配当 $3.71
1株調整後利益 $4.93
配当性向(調整後EPSベース) 75.3%
PER(調整後EPSベース) 18.0倍
株価(2019/5/27時点) $88.81

上表の数値上、高配当であること以外はこれと言った特徴はありません。配当利回りは4%超えと高いですが、増配率は4%弱ですし、配当性向は75%と高めであり、PERも18倍とそこそこあり、特段の割安感もありません。

電力株は市場全体が下押しした際に底堅い動きを見せることが多いことが特徴として挙げられますし、実際に保有していてそう感じますね。

【DUK】事業内容

セグメントは以下3つありますが、下図の通り売上高の90%を占めるのが電力インフラです。

  1. 電力インフラ
  2. ガスインフラ
  3. 再生可能エネルギー

DUKの発電所は主に米国中西部にあり、電力・ガス部門共にノースカロライナ、サウスカロライナ、オハイオ、インディアナ、ケンタッキー等の各州で電力事業を行い、天然ガスの輸送と販売を手掛け、中南米を中心に電力と天然ガス事業に従事しています。

【DUK】株価と配当利回り推移

株価は過去5年間で横ばいからやや上向きながら、過去10年間では2倍以上となっていますね。

筆者集計の上図が示す通り、過去配当利回り推移としては3.5~7.8%程度です。平均配当利回りは4.8%と高いですから、できれば配当利回りが5%近傍のところで買いたいですね。

【DUK】配当と配当利回り推移

配当は過去5年間で1.2倍弱と大きくは伸びていません。増配率は後述しますが概ね2~4%です。

【DUK】売上高・営業利益・純利益

DUKの①売上高・②営業利益・③純利益・④営業利益率・⑤営業キャッシュフローマージンを見てみましょう。

DUKはM&Aにより成長してきた企業でもあり、10年前と比べると大きく売上高は増えているものの、5年前と比べるとほぼ横ばいです。電力事業自体の成長性は人口増加率に近似する程度でそこまで大きくないのでしょう。

営業CFマージンは30%近傍と高く営業利益や純利益も良くも悪くも安定しています。

【DUK】キャッシュフロー推移

上図ご覧の通り投資キャッシュフローが非常に多く、営業キャッシュフローを上回っています。2016年からフリーキャッシュフローは3年連続で赤字です。

投資キャッシュフローのほとんどが電力事業に要する設備投資です。

フリーキャッシュフローがマイナスにも関わらず、増配を続けてこれているのは、借入金と株式発行による資金調達によってファイナンスしているからです。(後述)

電力株はどうしても電力系統のインフラ整備・維持に多大なコストがかかるため、比較的業績の安定が見込めるものの、手残りのキャッシュフローはあまり潤沢ではありません。

【DUK】配当安全性

ではそんなフリーキャッシュフローが赤字のDUKの配当安全性を測るべく、以下2点を比較してみましょう。

  • 1株あたりのフリーキャッシュフロー(FCFPS)
  • 1株あたりの配当(DPS)

DPSがFCFPSを上回っており、好ましい状態とは言えません。稼いだ手残りキャッシュ以上の額の配当を支払っていることが示唆されます。

株式発行数と長期借入金が、特に2012年以降増えており、同社の増配の背景には借入と新規株式発行があります。

例えば直近3年間は、配当支払額と同程度~3倍の長期借入金の計上を行っています。

  • 2016年は23億ドルの配当支払に対し、73億ドルの借入&7億ドルの株式発行。
  • 2017年は24.5億ドルの配当支払に対し、46億ドルの借入。
  • 2018年は24.7億ドルの配当支払に対し、24億ドルの借入&18億ドルの株式発行。

【DUK】フリーキャッシュフローマージン比較

同業他社とのフリーキャッシュフローマージン(フリーキャッシュフロー÷売上高)を比較してみましょう。

DUK・D・SOはいずれも三菱サラリーマンの保有銘柄ですが、いずれもフリーキャッシュフローマージンが概ねマイナスとなっていますね。

電力系はどうしても投資CFがかさむ結果、FCFがマイナスになりがちです。

【DUK】増配率の推移

増配率はおおむね2~4%と地味です。直近4年間はむしろ以前より増配率が上昇傾向にあり、借入金を増やしながらも増配率を高めるという良くも悪くもアグレッシブさが垣間見えますね。。(笑)

【DUK】 配当落ち日・配当基準日・配当支払い日

配当支払い日は概ね3・6・9・12月の中旬から下旬にかけてです。

配当落ち日 配当基準日 配当支払日 配当
2/14/2019 2/15/2019 3/18/2019 $0.9275
11/15/2018 11/16/2018 12/17/2018 $0.9275
8/16/2018 8/17/2018 9/17/2018 $0.9275
5/17/2018 5/18/2018 6/18/2018 $0.89
2/15/2018 2/16/2018 3/16/2018 $0.89
11/16/2017 11/17/2017 12/18/2017 $0.89
8/16/2017 8/18/2017 9/18/2017 $0.89
5/17/2017 5/19/2017 6/16/2017 $0.855
2/15/2017 2/17/2017 3/16/2017 $0.855
11/16/2016 11/18/2016 12/16/2016 $0.855
8/10/2016 8/12/2016 9/16/2016 $0.855
5/18/2016 5/20/2016 6/16/2016 $0.825
2/10/2016 2/12/2016 3/16/2016 $0.825
11/10/2015 11/13/2015 12/16/2015 $0.825
8/12/2015 8/14/2015 9/16/2015 $0.825
5/13/2015 5/15/2015 6/16/2015 $0.795
2/11/2015 2/13/2015 3/16/2015 $0.795
11/12/2014 11/14/2014 12/16/2014 $0.795
8/13/2014 8/15/2014 9/16/2014 $0.795
5/14/2014 5/16/2014 6/16/2014 $0.78
2/12/2014 2/14/2014 3/17/2014 $0.78


【DUK】トータルリターン vs S&P500

下図はDUKとS&P500指数の配当再投資込みトータルリターン比較です。(1999年~2019年4月)

てっきりS&P500に劣後と思いきや、なんとS&P500に勝っています。

特に2008年9月末から2009年2月末のリーマンショックの影響が大きい時期が電力株の底堅さを示していて、当該期間中、DUKはリターン20%毀損に対し、S&P500は37%毀損とディフェンシブさが際立っています。

トータルリターン比較(年率)
年率
DUK 7.34%(20年で4.2倍)
S&P500 6.29%(20年で3.5倍)

【DUK】 銘柄分析まとめ

デューク・エナジー【DUK】の特徴を挙げると以下の通りです。

DUK銘柄分析まとめ
  1. 市場平均と異なる動き、特に弱気相場では底堅さ見せること有り
  2. 増配率は地味、借入増も背景に12年連続増配
  3. 伝統的に高配当(平均4.8%)
  4. 営業CFマージンは高水準もフリーCFは赤字続く
  5. 一方トータルリターンは市場平均上回る

ということで、地味な銘柄で、三菱サラリーマンも地味に3,000ドルだけ保有しているDUKです。実際に保有していて感じるのは上述まとめの①部分(弱気相場で底堅い傾向)です。

電力株は普段値動きが地味ながら、市場全体が総崩れの際にプラスで引けるなど底堅い動きを見せることがよくあります。

大きな成長性は見込みにくいものの、やはりそのディフェンシブさが最大の特徴でしょう。とはいえ、米電力株でもPG&Eのように2017年10月に起きたカリフォルニア州の山火事により巨額の和解費用発生のため無配に転落した銘柄もありますから、常に安定というわけではもちろんなきこと、留意しておく必要があります。

ご参考になりましたら幸いです。

Best wishes to everyone!

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公開日:2019年6月6日

コメント

  1. mistel_aehre より:

    >フリーキャッシュフローマージン(売上高÷フリーキャッシュフロー)

    分子と分母が逆ではないでしょうか……?

  2. 青空ビーチ より:

    いつも興味深くブログ拝見しております。
    昨今のエントリから、いよいよリタイアの時期が近付いてきているのを感じます。

    三菱サラリーマン様は主に米国高配当株に投資されているとの事で、ETFも一定割合保有されているかと思いますが、個別株が中心とお見受けしております。そこで2点ほど質問があります。

    1.リタイア後も現在の個別株を持ち続けるのか、VTやVYMなどのETF中心に入れ替えていくのか

    2.景気の後退局面で配当金が下がる可能性があるが、
      最大で何%くらい減ると見積もっているのか

    1に関しては、一般的には給与所得のある資産形成時期においてはリスクが取れるので、高成長もしくは高配当な個別株で積極的にリターンを求めていけると思います。一方で配当収入に依存するリタイア後については、個社のリスク(不祥事や倒産等)を軽減するため、分散の効いたETFや投信が一般論としては勧められがちだと思います。
    もちろん個別株とはいえ分散されている三菱サラリーマン様においてはこの限りではないと思いますが、リタイアの前後でポートフォリオの入れ換えのご予定があれば教えて頂きたいです。

    2に関しては、例えばリタイア直後にリーマンショック級の景気後退が起こる可能性も考えられると思いますが、そういった場合、株価ほどではないにせよ配当金も多少は影響を受けると思います。
    ブログを拝見している限り、リーマン級でも減配しないような銘柄を多く保有されていると思いますが、減配の影響はどの程度見積もっておられるのでしょうか?
    また、例えばVTなどのETFを中心としたポートフォリオへの入れ替えを検討されているようでしたら、その場合の減配の影響について、何%程度と考えておられるのか教えて頂けたら参考になります。

    最後になりますが、私は主にVTやVYM・SPYD等に投資をしており、いずれはアーリーリタイアをと考えています。
    2009年頃に投資を始めてからここ10年ほど、指数は右肩上がりの状態が続いており、順調に資産も配当金も増えてきましたが本格的な経済危機は未経験です。
    過去のチャート等から株価の下落についてはイメージできるのですが、配当金がどの程度下落するかのデータが少なく、どれくらい余裕を持たせてリタイアするか考えあぐねています。
    アドバイス等ありましたら、合わせてお聞かせ下さい。

    • コメント頂きありがとうございます。
      そうですね、若い時間は若い時にしか過ごせない貴重なものなので、、
      資産形成とバランスをとりつつ時期を設定したいものです。
      尚、2点のご質問の件につきましてはブログにて詳述させていただきましたので、よろしければご覧ください。