【JT】日本たばこ産業の配当利回りが6%超え。投資妙味高まるか

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【高配当株】JT(日本たばこ産業)の配当利回りは6%へ

JTの株価が軟調です。配当利回りは2019年4月19日時点で、2018年末以来の配当利回り6%台へと到達しました。

ということで、以下2点チェックしてみましょう。

JTのチェックポイント

1.最近の外部環境・動向

2.直近のキャッシュフロー

1.最近の動向

同社は複数の訴訟を抱えており、たばこ産業への逆風が吹き荒れている最中。そして外国人投資家の持分が減ってきたことも同社株価下落の主因の1つでしょう。

発行済み株式総数に対する所有株式数の割合として、2018年3月に27%を占めた「外国法人等」の保有割合は約20%まで下がりました。以下は所有者別株主分布状況です。

出所:JT IR情報

当然これは外国人投資家のJT株売却を意味し、需給悪化要因ですから株価下落の一因になります。当該事象がJTの配当利回りの高まりと無関係とは言えないでしょう。

2.直近のキャッシュフロー

では次に同社の2018年度決算におけるキャッシュフロー計算書を振り返ってみましょう。下表がキャッシュフローの主な増減(単位:10億円)です。

営業CF 461
投資支出 -37
固定資産取得 -139
無形資産取得 -20
企業結合 -248
配当支払 -260
社債(起債ー償還) 287
借入金(借入ー返済) -77

出所:JT 決算短信

上表の通り、営業活動で稼いだキャッシュ4600億円が「固定資産の取得」と「企業結合(M&A)」でほぼ全て使われています。

同社は2018年にロシアのたばこ企業「DT(ドンスコイ・タバック)」ならびにバングラデシュのたばこ企業「バングラデシュタカ」を各々1900億円・1645億円で買収し、合計3545億円を投じていますから、これらM&Aに多くのキャッシュが投じられているわけですね。

そして上表の通り、配当支払額2,600億円とほぼ同額の2,870億円が社債の起債による資金調達がなされていることが分かります。低金利下での起債ですから、利払いで過度に財務が圧迫されることはないでしょうが、実質的に配当が社債発行によりファイナンスされる額と同額であることは留意しておいて良いでしょう。(企業買収にあてられたとも解釈可能)

尚、ご参考までに企業会計審議会によると、企業結合の定義は以下通り。

「企業結合」とは、ある企業又はある企業を構成する事業と他の企業又は他の企業を構成する事業とが 1 つの報告単位に統合されることをいう。なお、複数の取引が1 つの企業結合を構成している場合には、それらを一体として取り扱う。

まとめ

以下2点をチェックしました。

JTのチェックポイント

1.最近の外部環境・動向

2.直近のキャッシュフロー

JTには、あくまで少額であれば、資金を投じても良いかなとは考えています。

ただし、たばこ会社は規制や訴訟による逆風、ならびにESG投資による機関投資家の売却など常にリスクが付きまとうことは認識しておく必要があります。

一方で、バングラデシュなど新興国にも傘下企業を持つJTにとって、新興国の人口増加および生活水準の向上による嗜好品需要の増大は追い風にはなり得ます。

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