2017年末から軟調な米国電力株
最近電力株が軟調なのは、下記の記事で述べた通りです。
更に税制改革により、電力株の負債総資本比率、つまり財務レバレッジの悪化、キャッシュフローが毀損されるとして、先般米格付け会社のムーディーズが以下米電力会社の見通しを軒並み格下げしました。
Positive→Stable
AEP(アメリカン・エレクトリック・パワー・カンパニー)
Stable→Negative
- DUK(デュークエナジー)
- ED(コンソリデーテッド・エジソン)
- SO(サザン)
電力株は法人税減税の恩恵を受けにくいですから、昨今の上昇相場からは蚊帳の外状態となっています。
ということで、SBI証券の口座にある4,000ドルほどを用いて、サザン(SO)が44ドル台まで下落していたので、45万円分、新規購入しています。
うち8万円分については今月受け取った配当金を再投資していますから、複利の力を実感します。
同社の今期のEPSは低調と予想されています。
一方、サザンと言えば、先日も1株あたり0.58ドルの配当が3月6日付で支払われる旨アナウンスされました。
ATLANTA, Jan. 19, 2018 /PRNewswire/ — Southern Company today announced a regular quarterly dividend of 58 cents per share on the company’s common stock, payable March 6, 2018, to shareholders of record as of February 20, 2018.
This marks 281 consecutive quarters – dating back to 1948 – that Southern Company (SO) will have paid a dividend to its shareholders that is equal to or greater than the previous quarter.
これで1948年以来、281四半期連続で配当を減配せずに支払ったことになります。実に70年以上というとんでもない数字です。連続増配年数も17年と安定しています。
サザンは過去リセッション入りした段階でも9%しかEPSが落ち込まなかったので、さすが公益セクターの安定業績と言ったところでしょうか。
株価はここ2年で最低水準に落ち込んでおり、個人的には投資妙味が増してきたと考えます。
というのも、セクター別の値動きを見ている限りは、トランプ減税を織り込んで公益セクターから、より減税の恩恵を受けるセクターに資金が流入していることが直近下落の一因と言え、公益セクター自体のファンダメンタルズが悪化したとは思えません。
バリュエーション的にもPER15.7倍は悪くない数字です。
トランプ減税により、インフレ期待漸増か
先日、楽天セミナーでホリコキャピタルマネジメントの堀古氏が2018年も米国株に強気だったようですが、こればっかりは水物であり、ある意味予想しても詮無きことではあります。
とはいえ、米国債利回りは一時2.66%と2.6%の大台というか目先の節目を超えてきたことは注目に値するでしょう。
賃上げ&設備投資
トランプ減税により、AT&Tなどの減税恩恵を受ける各企業は軒並み賃上げを実施表明、アップルは2万人の新規雇用に加え、今後5年間で米国に300億ドル投資を表明(従来の投資計画を強調したに過ぎない向きもあるものの)など、景気を刺激するような動きが相次いでいます。
WMT(ウォルマート・ストアーズ):最低自給を10ドルから11ドルに引き上げ
WFC(ウェルズ・ファーゴ):最低自給を13.5ドルから15ドルに引き上げ
BA(ボーイング):従業員や慈善事業に3億ドルを投資・還元
BAC(バンク・オブ・アメリカ):1,000ドルのボーナスを15万人に支給
インフレ期待醸成か
物価連動債と米10年物国債の差であるブレイクイーブンインフレ率も漸増傾向にありますから、インフレ期待が醸成されていると言えます。
物価の先高観が高まれば、実質金利の指標ともなる10年物国債から資金が流出し、名目金利の指標ともなる物価連動債へ資金が流入することは想像に難くないと思います。そうすると物価連動債の利回りは下がりますから、ブレイクイーブンインフレ率も増大するわけです。
インフレが進めば、物価の安定を司るFRBは利上げに動きますから、債券利回り上昇に伴い株価の下押し圧力となります。
金融相場とも言える株高・債券高という適温相場がいつまで続くのか、見ものです。
Best wishes to everyone!
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