満足度の高いお金の使い方 - 盾の役割を終えた資産の行方

満足度の高かったお金の使い方

資産形成が順調に推移すると、いずれ「いかにしてお金を使うか」という問いに直面します。

従来の一般的な資産形成は、主に65歳以上のリタイア層を対象に「老後の資金枯渇リスクをいかに回避するか」という防御的な側面に主眼が置かれてきました。

しかし今や資産形成は若年化し、若くして億超え投資家もそう珍しくありません。私自身も現在の資産規模ですと、「未来の不安から身を守るための盾」としての役割は終えています。

次のフェーズは、資産保全の強迫観念によって過度な節約や資産を残したまま死を迎えることを回避し、いかに「今しかできない経験」「時間の活用」「人々との関わり」など目に見えない無形の資産へ変換していくか、ということです。

ブリティッシュ・コロンビア大学のエリザベス・ダン教授による「幸福と金銭の関係に関する研究」では、幸福度を最大化するお金の使い方として以下の3つの原則が提示されています。

  1. 経験を買う(Buy Experiences)
  2. 時間を買う(Buy Time)
  3. 他者に投資する(Invest in Others)

つまりは金銭の使用を単なる「消費」に終わらせず、人生の質や人々との関係性に資する支出を意識することで、日々の幸福度は変わるものと推論できます。

また、歳を重ねるにつれ富は蓄積されますが、経験を享受する身体的能力は反比例して減衰していきます。その非対称性はあらかじめ認識しておくことが望ましいはずです。

さらには、人間は物質的な豊かさに対しては極めて迅速に順応し、その物的高揚感は時と共に消失する「快楽順応」という性質が備わっています。対照的に、他者と共有した経験は時と共にむしろ美化され、生涯にわたって反芻されることで精神的な充足を生み続ける点も見逃せません。

読者から「お金の使い方」についてご質問がありましたので、私が実際に投じてみて特に満足度の高かった「お金の使い方」を以下にまとめます。

① かぎりある「家族旅行、3世代旅行」

冷徹な現実として、子供が小学校高学年から中学生以降になれば、部活動や友人関係などを生活の中心に据えるようになります。すると、家族旅行の機会は劇的に減少する傾向がみられます。

したがって、幼少期こそ家族旅行を存分に励行する時機と認識しています。母を家族旅行に招待し、3世代旅行(義母の招待は今秋に予定)は特に満足度が高いです。

金銭は父である私が全負担します。我が家に代々継承される伝統行事です。

心からたのしく充実した時間でした。これらの思い出は、ほぼ永続的な配当として記憶に残り続けると思います。

② 子として当然の報恩

母の新居を用立てました。

土地も広々、念願の畑付き。子として当然の報恩です。

今でも事あるごとに感謝を伝えてくれ、資産形成をしてきてよかったと思います。自分ひとりの贅沢も否定しませんが、大切な人々へ供せるのはお金の持つ尊い力。

利害関係なき純粋な贈与行為は、贈与者自身の精神的充足に直結します。

そして、早めに実行することが肝要との思いがありました。親が元気なうちに、つまり「子の報恩は、早期に実施すべき」と心得ます。

③ 移動空間を「書斎化」

  • 私鉄の有料特急
  • 新幹線のグリーン車

など、移動中の空間にお金を使うのは満足度高いです。

単に座れるだけでなく、静寂とゆとりが約束された空間。最高の読書(インプット)の場にもなります。

新幹線なら雑誌「ウェッジ(Wedge)」を読んだり、手持ちの本を読んだり、心地よい書斎というだけでなく、空間が心地よいので精神的な充足感が得られます。

一般に「時間を買う」というと、家事のアウトソーシングなどですが、これは時間の量的拡大ではなく質的変換に相当します。

④ 心地よい温もり「おこた」

今冬から「おこた(こたつ)」を導入。「しまむら」で買ったふかふかのカーペットを敷き、上におわすは神器こたつ。

欧米の人から見ると、究極的に熱効率が高い暖房器具だそうです。たしかに部屋全体を温める必要なし。じんわりあったまり、乾燥もせず。さすがジャパン由来の神器。

⑤ YouTube Premium ファミリープラン

契約主となり、家族分を負担。

広告に思考を分断されない環境を共有できるのは、ささいなことのようでいて、日々の満足度に大きく寄与するようです。

⑥ 集って食べる

利害や商業関係なき会食は愉悦そのもの。

家族に対しては日頃の感謝を込めて頻繁にごちそう。

人物たる価値とは、能力・学力・識見・社会的成功といった類ではなく、「いかに人に寄り添えたのか」に集約されるのではないか。賢明なるワイフを見ていると、そう思わずにはいられません。

⑦ 趣味が創出する「牧歌的な時間」

テニスには月1〜3万円ほどかけていますが、これがたのしすぎます。

平日の昼間、多様な年代や職業の方々と談笑プレイ。そこに不毛なマウンティングや苛烈な地位財の比較は存在しません。

余裕のある人々が集まるのか、流れる空気感は穏やかで牧歌的。

おばちゃま多めの日には、さらにすんなり溶け込めます(笑)

⑧ 靴は良いものを


友人からの勧めで、この「アディダス ウルトラブースト 5 GTX」を購入。これは素晴らしい。

クッションが厚く、足の疲労が軽減されます。加えて、防水(GORE-TEX)なので雨に打たれても蒸れません。

靴はよいものを買うべきですね。価格は2万円ほど。ストロングバイ(強い買い推奨)です。

⑨ リュックも良いものを

無印良品の特許取得済のリュック、なにこれめっちゃ軽いと衝撃を受けました。

今までアウトドアブランドのものを使っていましたが、同じ重量の荷物を入れても明らかに無印リュックのほうが軽い。ストロングバイ(強い買い推奨)です。

見栄や顕示的消費ではなく、実用性と快適性に裏打ちされた「価値に基づく消費」、つまりは「支出の最適化」に沿います。

⑩ 友人たちとの旅行

中学・高校という人格形成期をともに過ごした友人たちは、特別な存在のひとつです。

毎日はしゃいで笑いながら登下校。良識を共有するがゆえに、校則なき自由の極致が成り立つ楽天地。のびのび育った個性が際立ち、互いに尊重し合うひとかどの人物たち。

彼らと旅行にいけば、互いに一瞬で学生に戻った感覚を得ます。

みんなで「どこかにビューーン」を活用。交通費がかからず、宿や食事に集中投資。

まとめ

以上を総覧すれば、お気づきかもしれません。

多額のお金を要したのは新居を用立てたことぐらいです。ほかは大してお金のかからないものばかりです。

旅行にしても、どこへ行くかより、だれと行くかのほうが重要であり、会食にしても同様です。

お金をここからさらに増やすのはゲームに興じるようなものです。お金の多寡が直接的に幸福度に寄与するというより、幸福度の底割れを防ぐ手立てのひとつ、といった役割なのでしょう。

最も幸福度に寄与するであろう情愛や友情は、お金がなくとも成り立ちます。むしろ金銭を人間に介在させないほうが、人間関係が軽薄になるのを回避できさえします。

多くのお金を持つがゆえに、なにかをする際に「主要な手段をまずお金に求める」思考が染みついた実例を目にしたことがあります。

たしかにお金があれば手札が増えます。「何に投じるか」という選択権と自由を得ます。その心地よさを持ちつつ、しかし過度に金銭を介さずに人間関係を育むことが重要な気がしています。

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