「銀ETF(2026)」と「銀ETF(2025)」が異常な乖離。裁定取引で利益を得る方法

「銀ETF(2026)」と「銀ETF(2025)」の乖離を利用した裁定取引

現在、「くりっく株365」で取引される銀価格でおかしなことが起きています。

理論上はいわゆる「お金が落ちてる案件」と見えます。ただし注意点もあります。

補足:くりっく株365とは

「日経225やNYダウ、金ETF・原油ETFなどが同じ口座で取引できる、ほぼ24時間・祝日も取引が可能、少額の資金から投資できる」取引所。
SBI証券に口座を持っていれば、即日口座開設可能です。

銀価格の乖離率:25%(9月26日時点)

以下は「くりっく株365」の取引画面です。

銀ETF(2026)が、銀ETF(2025)に対し25%高い価格となっています。

銀ETF(2026)とは、2026年12月に決済される銀ETFで、銀ETF(2025)は2025年12月に決済される銀ETFです。

本来、両者の価格は同程度のはずが乖離しており、いずれは同程度の価格に収れんするはずです。なぜなら、原資産が同じ「WisdomTree 銀上場投資信託【1673】」だからです。

本件乖離していることは友人に教えてもらったことで、調べてみたところなんらかの原因で乖離してるんですよね。マーケットメイカーが機能していないのか、一部の証券会社の勧誘で2026に一時的に需要が集中しているという説も匿名ブログで確認でき、可能性として考えられますが謎です。

いずれにしても、2025年12月の決済日までに本来あるべき同程度の価格になっていることに賭ける場合、銀ETF(2026)を空売りし、銀ETF(2025)を同量買うことで、利益を得られます。実際私はそのようなポジションをとりました。

銀価格の乖離率:30%超(9月29日時点)

一時、乖離率は35%程度まで広がりました。異常値ですね。

すると同日、公式ホームページで以下案内がされました。

銀ETF証拠金取引に関するご注意

2025年9月29日

現在、貴金属市場では不透明感の高まりを背景に価格が上昇傾向にあり、銀ETF証拠金取引においても市場価格が上昇しております。特に今月にはいって、上昇の勢いが一段と強まっております。

また、銀関連市場の流動性が、株価指数関連市場と比較して限定的であることを主因に、銀ETF証拠金取引の価格が原資産価格を上回る水準で推移する状況が続いております。特に、残存期間の長い取引においてはその傾向が顕著です。

こうした価格の上昇およびボラティリティの高まりが反映され、来週より適用される証拠金基準額は、現行の約1.6倍に引き上げられる見込みです。

なお、他の貴金属ETF証拠金取引においても、程度の差はあるものの、同様の傾向が見られます。

投資家の皆様におかれましては、上記の点をご理解のうえ、十分にご注意いただきながらお取引くださいますよう、お願い申し上げます。

[相場急変時のリスクについて]
・市場レートが一時的、または長時間に亘り非表示となる場合があります。
・スプレッドが大幅に拡大する場合があります。
・口座毎の証拠金残高等によっては、大量のロスカット注文が発注される場合があります。
・ご注文の約定、ロスカット注文の執行に通常以上の時間を要する場合があります。
・お客様が想定したレートから大幅に乖離したレートで約定し、
その結果、想定以上の損失が発生する場合があります。

出所:くりっく株365

この発表からすぐには値動きが反映されませんでしたが、翌日9月30日になって、乖離が急速に縮小傾向にあります。

銀価格の乖離率:15%(9月30日時点)

記事を執筆している時点で、乖離率は15%程度まで収まってきています。

まとめ

先高観や思惑など、なんらかの原因で原資産を同一とする銀ETFの価格に乖離が生じています。

本来、価格が同程度になっているべきなので、その差益を得るべく裁定取引をするなら、繰り返しながら以下ポジションを建てると利益を得られます。

  • 銀ETF(2026)売り
  • 銀ETF(2025)買い

なお、くりっく株365は証拠金取引といってレバレッジをかけることもできる商品であり、運用方法(高レバレッジ)や上述乖離の拡大等によっては損失を被る可能性があります。取引を推奨する意味ではなく、十分ご注意ください。

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