「海洋プラスチックごみ問題の真実」の読書記録文

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「海洋プラスチックごみ問題の真実(マイクロプラスチックの実態と未来予測)」の読書感想文

読後感ひとこと

  • 「読んだ後に、すぐさま砂浜に駆け出して海岸のプラごみを拾いたくなる本」

著者

著者は、海洋物理学者で海洋プラスチックごみ研究の第一人者です。第一人者という言葉に勝手に親近感を覚えます。

気になっていたプラごみ問題の最新状況

かねてより「プラごみによる人間への健康被害」が気になっていました。なぜなら、私は魚介類を好んで食べるからです。

プラごみが魚介類へ濃縮されて取り込まれ、さらに人間の体内にも濃縮されて取り込まれると、健康被害が懸念されます。

本書では、

  • 自然科学でどのように客観性のあるデータを収集するのか
  • 生物濃縮
  • 汚染物質のプラスチックへの付着・濃縮
  • 科学の限界
  • 健全な予防原則、極端な予防原則
  • 反証可能性
  • プラスチックごみの海洋分布
  • 50年後に想定される未来

などの点に対して、最新の研究結果をもとにした回答を得ることができます。

特にプラごみの海洋分布は、私たち日本人にとって他人事では済まされない事実が記されています。世界のなかでも日本周辺はホットスポットと呼ばれ、プラごみ流出量が極端に多い東アジア諸国から流出するプラごみが海流・風の影響で集積する地帯であることが判明しています。

また、個人的には「自然科学の分野で、どのようにして各国で比較可能な客観性のあるデータとして積み上げるのか」という疑問への回答となる具体的な手順(例:プラごみを空撮し、1㎡あたりの平均重量を各所で算出し、空撮から算出した被覆面積を乗じて、地帯のプラごみの重量を推定する)も記されていたのも興味深かったです。

全体を通して誇張や論理の飛躍を感じない真摯な文面で、そのせいか読後すっきりとした気持ちで本を閉じました。

著者の姿勢に共鳴

また、著者の以下のような姿勢に共鳴します。

  • 論文として妥当性がある内容と認められたものだけを、市民に伝えるべきである

研究者の書いた論文は、国際学術誌に掲載される前に「査読」というプロセスがあります。いわば、厳密な内容チェックです。

学術誌は、研究者の投稿論文を受け取ったあと、論文ごとに「査読者」といわれる数名の匿名審査員を当てて投稿論文の妥当性や重要性の評価を無償で依頼します。

その結果ほとんどの論文は著者に差し戻しされ、査読者の要求する修正が加えられます。この過程で多くの論文が掲載を拒否されるなどして、学術論文は品質が保証されているという構図です。

著者は「この査読をパスした論文内容のみを市民に届けるべきである」と考えており、その点が素敵だと思いました。

なぜなら研究者によっては耳目を集めるために査読をパスしていない内容を書くことも考えられます。「~という可能性は否定できない」といった言葉で締めれば、なんだって言えてしまいます。

専門性のある人ならば、この手の論法であっても内容で妥当性を判断できます。しかし専門知識のない一般市民は妥当性を判断する材料がありません。

ゆえに、著者のこの姿勢はとても社会的意義のあることだと私は思いました。

私も本を書いている立場ですから、引き続き意識を高く持って事に当たりたいと改めて思いました。

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