キオクシア(285A)は過去最高益、8000億円の自社株買いから読み解く今後の戦略
去る2026年7月31日に第1四半期(4〜6月期)決算が発表されました。
AI特需で歴史的な最高益
まず決算のハイライト。4〜6月期の売上高は前年同期比5.1倍の1兆7,671億円、最終利益はなんと46倍の8,421億円と、文句なしの過去最高を記録しました。
背景には、AIデータセンター向けの需要急増があります。これにより、NAND型フラッシュメモリーの販売単価が前期比で7割も上昇。
市場の期待が高すぎた
これだけの好業績でも、ブルームバーグが集計したアナリストの事前予想(売上高1兆8,356億円、営業利益1兆3,701億円)にはわずかに届きませんでした。市場のハードルが高すぎただけで、業績自体は文句なしと思います。
「2027年のピークアウト」への恐怖
半導体メモリーは従来、景気循環が激しい業界ゆえに、市場は現在、2027年後半に需要が低迷し、さらに中国のYMTCなどが生産を拡大することで、NAND市場が供給過剰に陥るリスクを極度に警戒している状態と見えます。
また、キオクシアは競合のSKハイニックスやサムスン電子と違い、AI特需で絶好調なDRAM(HBMなど)事業を持たない「NAND専業」であるため、市況悪化時のダメージが大きい点も懸念されています。
したがって悲観シナリオは相当織り込んだ状態かと思いますがどうでしょうか。
上限8,000億円の自社株買い
発行済株式の5.5%に相当する最大8,000億円の自社株買いと、10月1日付での「1対3の株式分割」が発表されました。
現在、キオクシアの予想PERは約4倍という歴史的な割安水準まで売り込まれているなかで、この自社株買いは大きいと映ります。単純に株数に割り戻すと、株価5万円前提で1,600万株なので、信用買いの売りを全て吸収できる数です。
今後の投資戦略
個人的には少なくとも6万円ぐらいまでは買い持ちでいきたいです。仮に決算結果を受けて下押すならば買い増しも選択肢。
現在は市場がNAND市況の将来の値崩れ恐れて株価が急落している今は、下値余地と上値余地のバランス(これをリスク・リワードと呼称)としては後者のほうがさすがに大きいだろうと個人的には考えます。
ただし、市況が悪化した場合の価格変動は避けられません。今後も悪材料が出ればまた暴落するリスクもあります。
一応私が保有しているので、こうして記事を書いていますが、この銘柄はやはり他者におすすめできるものではありません。なんせ価格変動が激しすぎるのです。
株式分割で少額保有もしやすくなったので、以前よりは100株買うのに必要な資金が減り、少額投資がしやすくなったのでその点についてはましかもしれません。