子どもに「自由と責任」を教えるための資産移転術
今般、読者の方から「子どもNISAによる節税・贈与メリットと、私が提唱する『欠乏の利点』をどう両立すべきか」という、ご質問をいただきました。
親として、資産を残してあげたいという愛情と、それによって子のハングリー精神を削いでしまわないかという危惧。この矛盾を解決する方策は、主体的な参画にあると私は考えます。
穂高さま
こんにちは。いつもブログ拝見させていただき、いろいろと勉強させていただいてております。○○と申します。
2/7のブログで触れられていた欠乏の利点についてですが、子供に資産の多寡を悟られないほうがよいとの点について質問させてください。
2027年から子どもNISAがはじまりますが、家族内での非課税枠の有効活用という点で、個人的にどう使おうか悩んでいます。一方で穂高さんの持論である欠乏の利点についても共感しています。
子どもNISAは将来的に子どもが成人するタイミングなど比較的若い時にまとまった額を渡すことになりますが、NISAによる節税や相続税の節税メリットを踏まえどのようにお考えでしょうか。
他にも暦年贈与などによって将来的な相続税の節税もできますが、いずれにしても子どもが若い時点でまとまったお金を労せずして得てしまうことになります。
また、別件ですがお金の相談会の様子を写真で見るたびに上品なお店に見えるのですが、当日の飲食代の支払いは相談料とは別に必要になりますでしょうか。
その場合、穂高さん分も含めての支払いとなりますか。
→(回答):各自負担としております。
以上、長文となってしまい申し訳ないですが、よろしくお願いいたします。
「欠乏の利点とは何か」についてまずおさらいしますと、「渇き(欠乏)は、強い原動力やハングリー精神を生むことがあるので、欠乏することは必ずしも悪いことではない」という意味です。
人生の早い段階で資産形成を意識するに至ったのは、お金が空気のように有り余る状態ではなかったからこそと言えます。
さて本論ですが、「親がNISAの設定をし、銘柄も選び、そのまま子どもが参画することなく成人時にまとまった資金をわたす」という方法では、子の主体的な参画がないままにまとまった資金を棚ぼた的に得ることになります。
このようなお金の得方ですと、単純に他者(親ですが)から与えられるだけ、という受動的な様式になるかと思います。
したがって、子どもNISAをするにしても、物心ついた頃には「自分の考えで意思決定をして結果を受け入れる」という過程を踏めるように親が導くことが一案と考えています。
たとえば、
- NISAの概要・意義を説明し、
- 「あなたのNISAは、この銘柄をこのような理由で選んだ。どう思う? これからは自分自身で選んでみようか。どうしたい? なぜそう思う?」といった問いかけをする
子どもが主体的かつ自由に意志決定し、その結果(=将来の損益)の責を負うことになります。自分で決めて結果を受け入れることや、金融への興味関心も付随して得られるかもしれません。
ではなぜ欠乏の利点を強調するかと言えば、以上はあくまで「親が導いた」かたちです。
理想は「子がみずから必要に迫られ、自分で切り拓く(完全なる欠乏の利点)」ことだと思っています。しかし、ある程度恵まれた環境にある家庭において、それを完全に再現するのは困難かと思います。
したがって、次善の策として「親が導き、主体的に子に意志決定をしてもらい、結果を受け入れる」という過程を踏むかたちです。
もっとも、あまり金融をかじりすぎて金銭という尺度で物事をとらえすぎるのも考えものですから、どのような作用を最終的にもたらすかは神のみぞ知る領域と承知しつつ。
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「欠乏の利点」は実際に体感してきました。