「米国株投資にモヤモヤする」というご相談
以下ご質問に回答しています。
題名: 米国株投資に関するモヤモヤについて
メッセージ本文:
穂高様
5年ほど前に投資を始めた頃、穂高様のブログに出会い、配当の積み上げをこれまで継続してきました。
投資先は主にVYMで、日本の個別株(配当狙い)とS&P500の投資信託も少額ながら投資しています。
最近の米国の自国第一主義やベネズエラ攻撃を見ると、米国企業に投資していいのか、なんだかモヤモヤした気持ちが湧いてきています。
そうした行動を実施する米国の行動に、まわりまわって自身が加担しているような気がするからです。
ベネズエラ攻撃に関しては、背景に石油の権益などが絡んでいるということで、なおさらそういう気持ちになります。
かといって、投資にかけられる時間があまりないのと、日本の高配当ETFが長期に値上がりするイメージがあまり持てないので、日本株の投資比率を上げるのには尻込みしています。
結果として、米国株投資へのモヤモヤを抱きながらも、投資は投資と割り切って、淡々とVYMへの投資を継続しています。
穂高様は、
- 投資で(投資に限らずでも構いませんが)自分の理性?信念?倫理観?みたいなものと、投資先・投資行動(日常生活での行動)が噛み合わない場合はありましたでしょうか?
- また、その時はどのように対処されましたでしょうか?
すみません、上手く文章にできず、分かりにくい内容でぼんやりとした質問かと思いますが、ご助言いただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。
古くからご覧いただきありがとうございます。
たしかにおっしゃる通り、
- 「米国株投資によって、米国の覇権主義に加担しているような気がしてもやもやする」
そう感じるかたも一定数おられるのではないかと思います。
「投資=単なる数字の積み上げ」ではなく、「投資=自分の意志の表明」と捉える誠実さゆえの葛藤でしょうか。
FIRE前:なりふり構わず、FIRE後:「同定困難」と整理
投資で(投資に限らずでも構いませんが)自分の理性?信念?倫理観?みたいなものと、投資先・投資行動(日常生活での行動)が噛み合わない場合はありましたでしょうか?
また、その時はどのように対処されましたでしょうか?
FIRE前はそこまで考える余裕なく、とにかく経済的自由達成を最優先。たばこ株・石油株などに寸分の迷いなく投資していました。
FIRE後、考える余裕ができた現在は「各企業がどこまで直接的・間接的に社会的な便益/損失を及ぼしているかを計るのは難しい」と整理しています。
たとえば、A銀行がたばこ会社に融資していれば、資金のやり取りがあるわけですから、間接的に「A銀行もたばこ事業に加担」とも解釈できましょう。したがって、「厳密に企業ごとに線引きするのは困難」という塩梅です。
※現在は英たばこ株(BTI)を保有しています。
また、紛争や衝突における正義は一面的にどちらにあるか判別不能な領域もあれば、不確定な部分も多いのも事実かと思います。現代はSNSで「知らなくてもよいことまで知り得てしまう」という背景もありそうですね。
「日本株が長期で成長するイメージが持てない」
日本の高配当ETFが長期に値上がりするイメージがあまり持てないので、日本株の投資比率を上げるのには尻込みしています。
確かにご相談でよく聞く内容です。一例として私は、
- 日本企業はこれまでデフレマインドで安売りを重ねてきましたが、近年はインフレ局面に転換した以上、値上げ余地は大きいとも解釈でき、
- PERも米国株と比べれば低く、
- 加えて実質金利がマイナス
といった観点から、日本株を主力としています(ご参考:日本株に中長期的に期待できると思う理由(2023年))。
「円安・インフレ・負の実質金利」という構造的な要因も指摘できます。この辺りをどう考えるかということになりますね。
円の通貨価値維持の観点では…
ちなみに、米国株投資はドル建て経済圏に投資するので「円売り」に相当し、巨視的にみれば「円の価値低下」につながる面も見いだせます。
(もちろん、米国株投資は米国企業の利益が分配されるので、対外証券投資・対外純資産の向上には資する面もあるのでしょう)
と、このように巨視的に見ていくと、上述のような面も見えてきますから(笑)、どこまで大きくとらえるか次第、という面もあるとは思います。
以下の視点が一案でしょうか。
- 現実と理想、どこまで考えてどう平衡を保つか
- 投資で何に重きを置いて、何をめざすのか
あんまり考えすぎてもたいへんですから、(少々論点はずれますが)米国株投資で得た収益で、とりあえず日本でなにか美味しいものを食べる。それもじゅうぶん投資収益の還流になるとは思います。
回答になっていましたら幸いです。
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