今後の米国株投資について強気か弱気か
「これから米国株投資はどうなっていくんだろうな」と思いが頭をよぎります。強気か弱気か問われたらば、「以前よりは弱気」という回答になろうかと思います。
米国株投資は2016年頃から始めて、当時はマイナーな投資対象でした。今やすっかり本流の様相です。本流どころかバイアンドホールドを金科玉条の如く奉じた宗教に近いアカウントまで見かけます。つまりXでは
- 米国株最強
- 米国株に投資しておけばOK
といったアカウントが近年勃興または隆盛し、だれでも米国株さえ持っていればお金持ちになれるような錯覚すらあたえるやもしれません。
ただ近年、米国株をとりまく環境は以前ほど強い順風は吹いていないように見えます。
① 低金利が期待できない
まず40年続いた金利低下が終焉を迎えました。

1980年代にインフレ退治を終え、リーマンショック以降はゼロ金利、量的緩和、現金給付と次々に新たな形で貨幣総量が増えました。
当時、貨幣総量が増えれば経済成長が期待されましたが、成長したのは金融市場でした。格差は拡大。
そして2018年頃には「貨幣が増えても、もうインフレは起きない」といった向きまで市場に現れたことを覚えています。
しかしコロナ禍の現金給付が契機となったか、ついにインフレが40年ぶりに再来。高金利・インフレ時代に突入し、今なお続いています。
金利が低いほど株式は買われやすく、金利が高いほど株式は買われにくくなります。この40年ほどの米国株の急上昇の一因となった「低金利」は期待できない状況です。以下2つの理由が挙げられます。
- 債務問題
- インフレ時代のジレンマ
1. 債務問題が低金利を許さず

米政府債務は「88%のシナリオで債務残高の対GDP比が持続不可能な軌道にある」とBloombergで報じられています。これは債券安・高金利要因です。
民主主義ゆえに選挙前にはバラマキ、低金利をよいことに放漫財政が可能となり、債務が累増しました。もはや中央銀行が国債を大量に保有する異常事態が続いています。
2. 中央銀行の難しい舵取り
加えてインフレ時代は利下げを急げばインフレが再燃し、高金利を続ければ借金の利払いが増えるというジレンマがあります。
したがって、以前のような低金利は期待できない状況です。
静かに進む「ドル離れ」
最近とみに記事にしているように、
- 米国の債務返済が困難な水準に達しようとしている
- 米ドル離れ
といった現象が生じています。ドル資産を持っていると米国から政治的な脅迫を受けるリスクがウクライナ紛争以降顕在化。米ドル離れが進んでいます(下図:IMFのデータを元に筆者作成)。
こうしたファンダメンタルズの懸念がある一方で、Nasdaqの構成企業には今後もハイテク産業を牽引するであろう企業がいくつもあります。
テスラ、パランティア、Amazon、アルファベットなど。上に挙げた悪材料はありつつも、優良企業という好材料は引き続き存在します。
したがって強気か弱気か問われれば、強弱入り混じって「以前よりは弱気」という回答になりそうです。
一強が崩れるシナリオにかんがみると、以前と比べていろんな資産に分散する必要性が高まるとか思います。
- 米国株、日本株、欧州株、新興国株
- ゴールド、シルバー
- ビットコイン
以前なら債券が選択肢に挙がりましたが、インフレ時代に債券は適さないかと思います(この40年は金利がひたすら下がる40年だったので、債券価格が上昇してきた)。
米国債(長期)は昨今もはや安全資産としての値動きをしていないので、候補となりえるのは短期債、つまりTビルやMMFにかぎることになります。
ほかゴールド、シルバー、ビットコイン。これらの価格が上昇しています(ドルや円が相対的に価値を失っている)。
まとめ
米国株一強の時代が続くかは以前より疑問符が多くつく状況になってきている以上、分散の必要性が以前より高まっていることを感じる一方で、とはいえNasdaq構成企業の成長性は棄てきれない、といった塩梅でしょうか。
M2(市中の貨幣総量)が増えているじゃぶじゃぶ相場のあいだは株とビットコインは強いと思いますが、相場の予測は難解ですから、相場の流れについていく。
そしてひとつに賭けるのではなく、いろんなものに賭けておく。不確実性の高い時代には、そうした姿勢が求められようかと思います。
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