三菱商事(8058)の株価、テクニカルと過去PER・PBRから現状を確認
すっかり定例化した商事の定点観測記事ですが、本日も三菱商事(8058)の株価について、以下の視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足
3月28日(金)終値時点のチャートです。
まず配当落ちの日は「前場で配当落ち分に近しい幅を下げて、徐々に下げ幅を縮めていくパターン」が体感として過去多かったわけですが、今回はトランプ政権の関税賦課発表によって冷や水を浴びせられた格好。前場で反発なく、後場でようやく配当再投資分と思しき反発が多少あった程度でした。
金曜日のローソク足は、いわゆる「小陰線のコマ」で、様子見姿勢を表す状態に近い形をしていますが、下値の節目としていた2,742円付近を場中で割ったものの終値で同水準まで戻せました。
ただ、トランプ関税への警戒感で金曜夜に米国株が大きく下げ、日経先物も700円ほど下がっているので週明けの下げ幅は小さくはないと思われます。終値で空を切った分のどこまで下げるのか、つまり空を切った下限の2,650円までいってしまうのかが目先の焦点と見ます。これだけダウと先物が下げているので、窓を埋めに行きそうな勢いではありますが、どうでしょうか。
RCI、ストキャスなどオシレーター系も総じて下向きになってきており、短期MAも下向きに転じた一方で、中長期MAは依然として上向きという状況。来週短期的な調整にとどまることができるかどうか。
週足はどうでしょう。
週足
週足で見ると、日足と景色は変わります。先週大陽線の半値戻しにも至らない状況。ただし日経の先物価格に準じてみると週明け半値となる2,700円程度までは十分下がりそうであり、資金が市場から大きく抜けるなかではたして半値戻しで終われるか、といったところ。
PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- 日足:過去の体感的な傾向とは異なり、配当落ち日に下げ幅を縮める動きは限定的。関税による短期の弱含みが意識されるなか、目先の焦点のひとつは週明け逆風で窓の下限2,650円~上限2,740円のどのあたりに着地するか
- 週足:大陽線の翌週も調整幅は限定的ながら、目先は警戒したい
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
まず日経平均が木曜にトレンドラインを割ってるんですよね。日経とダウがこれだけ下げて金が高値更新ですから、資金が株から逃げている状況。となると、新たな材料等で資金が入ってこないと目先高値の奪還は難しいとは感じます。
テクニカルとは別の領域ともなるトランプ関税というイベントが市場の焦点となっていますから、政策に左右される展開は当面続きそうであり、目先は警戒したいところです。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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