三菱商事(8058)の株価、バフェット氏買い増し意欲報道で空を切って大幅上昇
三菱商事(8058)の株価について、以下2つの視点で最新の状況を確認します。
- テクニカル(日足、週足)
- 過去PER・PBRレンジ(おさらい)
日足
今回は日足から見ます。
先週終わり時点では、以下のように記した通り、トレンド反転には関門がいくつかある状態でした。
中期MAを陰線で下抜けましたし、反転には上値抵抗線を超えて推移しつつ、まず中期MAを陽線で上抜け、移動平均線が反転、など関門がなお複数ある状態です。
そのような折、バフェット翁の「商社株買い増し意欲」の観測報道が先週末に流れました。そこで今週初は上図の通り大きく窓を空けて寄り付き、一時10%を超える上昇で上ヒゲもほぼなしで引けました。ただこの水準は直近高値の2,578円、2,637円付近。
いきなりそこを一回で飛び越えられる材料かはどうだろうかということで、2,600円ちょうどで信用分1,600株をひとまず利確。
本日2月26日(水)は前日の陽線と同程度の陰線ということで前日高値を超えられず、はらみ線気味ということで利食いがかなり入ったと見えます。一方、上値抵抗線は明確に超えましたし、中期・長期MAも超えての推移であり、長期MAで下げ止まっている状態。短中期MAともに上向きに転じたことで、先週までの弱気からは変化が訪れています。
週足
まだ週半ばの水曜日時点なので週足が完成していませんが、いま現在の状態としては「塔婆」と呼ばれる、上髭が長く下ヒゲが小さいローソク足の形状で弱いです。
以下がひとまずの焦点かと思います。
- 上値抵抗線(2,560円付近)を超えて今週引けられるか
- 直近高値(同じく2,560円付近)を超えて引けられるか
PER・PBRレンジの観点:下落めど1,900~2,500円程度
なお、おさらいとして、バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジの観点から見た下落余地は、以下のように整理することは可能です。
今後の変数を除いて過去に依拠した机上の計算で、かつPERレンジがバフェット効果前の上限までの下落にとどまるという前提条件を付した場合、株価の下落めどは2,500円~1,900円程度という結論が導出されました。
三菱商事(8058)の過去PER・PBRレンジから株価下落余地を探る 三菱商事の株価は軟調が続いています。 有名投資家ウォー...
まとめ
以下のようにまとめられます。
- 週足:焦点のひとつは「2,560円付近を超えて今週引けることができるか」
- 日足:2月26日(水)は前日高値を超えられずはらみ線気味で利食いに押されたと見える。一方、上値抵抗線・中長期MAを超え、長期MAで下げ止まっている状態。短中期MAともに上向きに転じたことで、先週までの弱気一辺倒からは変化が感じられる
- バフェット効果切れを考慮したPER・PBRレンジから機械的に算出される下値めどは「1,900~2,500円」という値に着地
この手のバフェット翁など大口の動向によって思惑や需給が一変することがありますが、今週はまさにそれを体現したような動きでした。
一方で資生堂の英ファンド大量保有報告書の件のように、いったんは大きく上昇しても陽線を打ち消す陰線ができることもままあります。今般の商事も同様の動きとなっています。
なおテクニカル分析は、経済指標やイベント等による大きな流れが生じると効かなくなることもありますし、あくまで傾向として意識される可能性がある、といった位置づけと言えようかと思います。大前提として、将来の株価はわかりません。
いわば「暗中模索、五里霧中という株式相場のなかで、暗闇をほのかに照らす懐中電灯にはなる可能性がある」といった塩梅。
一方、昨今はAIによる売買が隆盛を極めており、その売買判断にはテクニカルが用いられていると思われ、以前よりは有用性が高まっているのではないかと個人的には想像しています。ただし、いずれにしても特定の売買を推奨するものではありません。
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