お金の相談会と『#シンFIRE論』のご感想
先日、お金の相談会にご応募いただいたかたから、以下お便りをいただきました(プライバシーの観点から一部改変)。
穂高さま
先日相談会でお世話になった○○です。
改めまして、貴重なアドバイスとお知恵をいただき、ひとことお礼をお伝えしたくご連絡しました。相談会は大変勉強になり、また素直に楽しい時間で、とても感謝しております。
あまり一般ウケしそうにない相談内容にもかかわらずブログに掲載して頂いたようで、非常に恐縮しております。その後の資産運用は、穂高さんのご助言通りのところもあり、また各金融商品の利回りを再確認して自分なりに少し変えた部分もあります。年末年始に休みがなく例年何もできずに年越しなのですが、今年は地味ながらもちゃんとポジションを見直し納得して新年を迎えられた自信は少なくともあります。どうもありがとうございました。
また新刊『シンFIRE論』も早速拝読しました。資産運用の本というよりむしろ価値観の本という感じで、大変感銘を受けました。
穂高さんの中国時代のエピソードは特に共感を持って読みました。相談会では話の脱線を遠慮したので少しだけお話しすると、私は(中略)に留学しました。鄧小平が死去し香港返還がなされた時、経済発展の矢先の頃です。1年間で高速道路が整備され、最初都心の外資系スーパーしかなかったのに大学の近所に現地スーパーができ始め、その後スーパー同士で価格競争が始まるという経済の発展スピードでした。穂高さんほどすごい事はできませんでしたが、他の留学生達がいつも自国民でつるんでいるのを後目に、私も学生食堂や近所の屋台でお店の人や現地のお客に話しかけたり、タクシーは必ず助手席で運転手と話す、寝台車で旅行して同室の中国人と仲良くなる、とかやっていました。たぶん穂高さんより数年以上前ですが、やはり校庭で毎朝早朝から外国語を音読し習得していく現地の学生達の努力には同様に心を打たれました。人生を切り拓くために必死なのです。日本の学生はあかん、でも自分は負けたらあかん、などと思っていました。日本で中国の話をしてもあまり熱心に聞いてもらえませんが、穂高さんのエピソードを読んで、中国から学んだ人には(私はともかく)こんな大物がいる!と嬉しくなりました。
孤高であっても人生は自分で築いていく、そのための時間は作るものと、再度確認させて頂いた貴重な新刊でした。しばらくやめていた階段利用と読書を、昼休み等で時間を捻出しなんとか再開しています。穂高さんにたくさん元気と力とアイデアをもらいました。本当に感謝です。
長文失礼しました。2025年も忙しくお過ごしかと思いますが、どうぞご家族ともども健康で充実した1年となりますように。微力ながら主人と心から応援しております。
こうしたお便りをいただくことは、大変有難く、励みになります。自身が紡いだ文字が、こうして人さまと好ましいであろう影響を互いに及ぼしていることを実感でき、また心新たに活動する大きな源泉になります。
以前の日本、教師は「聖職者」だった
北京で感じた中国人学生の勉学に対する気迫は、日本人学生のそれとは比較にならないものでした。当時「日本が中国に抜かれるのも時間の問題」と感じたものですが、現実となりました。
少し話がそれるかもしれませんが、やはり国家・国民の礎は「教育」と言えようかと思います。
祖母曰く、以前の日本では、教師とは「聖職者」であったと。「お金のない生徒がいたら、先生が工面してなんとか教育を受けさせる環境を整えるケースもあった」との由。
そりゃ先生は尊敬されますよね。そんなことを先生にしていただいたら、生徒は「教師とはなんて立派な職業なんだ」と畏敬の念を持ち、背筋が伸びるはずです。
翻って現代はどうでしょうか。日々理想に燃え、奮闘しておられる教職者の方もおられることと思いますが、さすがに当時とは隔世の感を禁じえません。
「今だけ、金だけ、自分だけ」
現代日本を端的に表す字句かと思います。曾祖父の頃の政治家は、(当人を含め)今よりもっと「公のため、社会のため」という理念に沿って行動する大人物がいた、と代々聞き及んだものです。
もしこうしたテーマにご興味のあるかたは、東大教授・鈴木宣弘氏の著書を一読することも一案かと思います。現代日本社会に対するひとつの視点が加わろうかと思います。
技術が進み、ラクをしやすい現代は、「さほど考えなくても生きていける時代」と形容できるのではないでしょうか。
上手くいってる時や、ラクできる状態だと、意識しないと人間は物事を深く考えないように思います。上手く行かないときにはじめて考える。
子どもにある程度の苦労をしてほしいかもしれません。要所はある程度は導いたうえで、失敗や挫折をそれなりに経験してほしいなと思います。甘やかすことは避けたいです。「うちにはお金がある」とも思わせないにできたら理想的ではあります。
言うは易く行うは難し。あくまで理想論にすぎないかもしれませんが。
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