【楽天SCHD】シュワブ米国配当株式ETF、高配当・増配・リターンいずれも良好な有力ETF
読者より以下ご質問がありました。
「高配当では最近、楽天SCHDを目にします。VYMと同等以上らしいです。インカム目的としての購入は、あり、なしか穂高さんの見解を伺いたいです」
以下回答いたします。
- シュワブ米国配当株式ETF【SCHD】へ投資可能な投資信託(楽天証券で購入可)
- 「高配当」と「中長期的な値上がり」を目指す設計
- VYMより高配当で増配率も高く、トータルリターンも高い
- 2024年までS&P500と遜色ないリターン
- 原則3か月ごとの分配
- NISA成長投資枠の対象
ということでかなりありだと思います。
VYMより高配当で、増配も期待させる構成銘柄
SCHDの指標は以下の通りです(8月末時点)。
- 連動指数:Dow Jones U.S. Dividend 100 Index
- 銘柄数:103
- 分配利回り:3.59%
- PER:17.56
- PBR:3.3
VYMの過去平均分配利回りは3.1%なので、VYMより高配当です。高配当ということは短期的に多くの配当を得ることができるわけですが、中長期的に多くの配当を得たければ「増配も期待できるかどうか」が重要です。
では増配は期待できるでしょうか。構成銘柄を見てみます。
コカ・コーラは近年一桁中盤ぐらいの増配率で、ベライゾンも増配率は低いですが、ほか8銘柄に関してはおおむね成長性と増配率も堅調であってきた銘柄です。
SCHDの配当:右肩上がり、高い増配率
シュワブ公式データより筆者作成
過去の増配率は12.0%(5年)、11.1%(10年)であり、VYMの平均増配率8.5%より高い水準です。
手数料は問題ない水準
運用管理費用(信託報酬)は年0.192%(税込)なので、許容できる水準です。
ただし、注釈に「2024年6月末現在。今後、投資内容等によりこの数値は変動します」とあることには留意必要かと思います。とはいえ一般的にコストが急激に上昇することは考えにくいとは思いますが。
なお、SCHDという母体ETF自体のTotal Expense Ratioが0.06%なので、楽天がそこに運用管理費用を上乗せした形でしょうか。
2024年までS&P500と遜色ないトータルリターン
トータルリターンとは、配当と株価成長の両方を加味した投資家が手にする実質的な収益ですので、資産を拡大させたいならばトータルリターンを重視する必要があります。
特筆すべきは、「2019年からVYMなどの高配当株ETFはS&P500に劣後する傾向が認められたにもかかわらず、SCHDに関してはS&P500と遜色のないリターンを2024年まで示してきた」ということです。
もっとも、上記試算は配当にかかる税金を考慮していないため、S&P500とのリターン比較においてはやや差し引いて考える必要はあります。しかしVYMよりリターンがよいことには変わりありません。
ちなみに株価で比較すると以下のようになります。
注意すべきは、「単純な株価比較では配当分のリターンが考慮されないため、低配当株のほうがリターンがよく見える」ということです。言い換えれば、株価ではなくトータルリターンで見たほうがより正確であるということです。
まとめ
- シュワブ米国配当株式ETF【SCHD】へ投資可能な投資信託(楽天証券で購入可)
- 「高配当」と「中長期的な値上がり」を目指す設計
- VYMより高配当で増配率も高く、トータルリターンも高い
- 2024年までS&P500と遜色ないリターン
- 原則3か月ごとの分配
- NISA成長投資枠の対象
過去の傾向としては魅力的な高配当ETFですね。VYMよりも良く映ります。
ちなみに昨今、SNSで「高配当株はリターンが低く、増配株はリターンが高い」といった趣旨の言説を見かけましたが、これは誤りです。
「配当が多いほど税金の支払いを将来に先送りしづらい」という意味で税制面でリターンが落ちる要素にはなり得ますが、投資効率の観点からは企業が投資先を見つけられずキャッシュを死蔵しておくくらいなら配当で還元することで資本効率が上がってリターンの向上につながることもあるため、一概には言えません。
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もう7年も前の記事ですね。今やすっかりおなじみに高配当株ETFとなりました。
単純に配当利回りの高低で投資対象を選んでよいのか、というとそう単純でもありません。
高配当株でもトータルリターンが高い銘柄はありますね。結局購入タイミングにも左右されるのでそう単純化できません。
コメント
[…] ※参照元:三菱サラリーマンさんの記事より抜粋(【楽天SCHD】シュワブ米国配当株式ETF、高配当・増配・リターンいずれも良…) […]