日本株は内需株・円高恩恵銘柄に資金シフトがみられる
円高、進んでいますね。
シカゴIMM先物が示す投機筋のポジションは、過去の傾向としては「円売り過多が解消されてプラマイゼロの状態になると、その後1~2年程度は円買いに傾く」という現象がみられます。
スワップ市場(OIS)は日銀の利上げをまだ織り込んでいないことから、米利下げの織り込みまたは上記需給傾向を見越してか、8月25日の日本株は指数(日経平均株価、TOPIX)がそれぞれ0.8%ほど下落したにも関わらず、円高恩恵銘柄が急伸しました。
- ニトリ
- セリア
- スカイマーク
- オープンドア
- ケーユーHD
- 日本航空
とくにオープンドアは12%高と大幅に続伸。加えて、
- 不動産(三菱地所、サンセイランディックなど)
- 鉄道全般
などの内需株も逆行高となり、今まで日本株をけん引してきた半導体や精密、自動車、商社などの円安恩恵銘柄からの資金シフトが鮮明といった様相です。
私のポートフォリオはどちらかと言えば内需系が占める割合が多く、(珍しく)+0.8%と堅調でした。
なお、昨日の記事でもふれたように、以下のようなグロース株への資金流入も顕著です。
- サイバーエージェント
- ジンズホールディングス
- オイシックス・ラ・大地
ドル円は200日移動平均線という長期トレンド支持線を割り込んだことで、年末に向けて円高進行となるのか、といったところでしょうか。
以上のように、バリュー株・グロース株のリターンの優劣は循環していくように、円安恩恵銘柄と円高恩恵銘柄も代わる代わるいずれは物色されていく、という株式の「いつもの景色」がみられています。
ただ昨年から円高恩恵銘柄への順風は一過性に終わっていました。今回は日米の金融政策の違い(米利下げ、日本利上げ)が鮮明であり投機筋も円買いに傾けば、底流にある円安圧力(キャッシュフローベースの経常収支による実需)を凌ぎそうですが、どうなるでしょうか。
今回の円安局面からの修正で思ったのは、為替レートから材料や原因を考えだすと大局を見誤りやすいということですね。相場は行き過ぎることもありますから。
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結果的に当時より円高が進んでいます。経常収支による実需の影響を紹介しています。