「FIREが見えてきたが、一歩踏み出すか迷っている」というご相談への回答
先日の「お金の相談会」の相談事例(30代、男性)を紹介します。本記事は前編で、後編は明日です。
- 2017年からブログ読者、憧れの生活、当時は連絡しようという発想もなかったが、先日お金の相談会の存在を知り、連絡してみようと思った
- FIREを見すえていいライフステージになってきたが、周囲には相談しづらい
- 悩みを解決してほしいというより、単に話したい、コミュニケーションのなかで思い浮かんだ質問をぽんぽんしたい
なお以下は書面回答(概要)で、本丸はその後実施される対話です。
私からどう見えるか、私ならどう行動するか
– 穂高さんからみて私の状況がどう見えるか、そして穂高さんが私だったらどう行動するか
略歴を拝見するかぎりでは、やる気さえあればなんとでもなる器用さと能力をお持ちなのだと拝察します。
FIREして数年経って実感するのは、やはり好きなことは続きます。逆も然りです。自由を得た後ならなおさらです。
一例としてご参考までですが、好きなことをやりきれる日々は、それこそこれ以上ない人生だと実感します。最高と思う日はあっても後悔したことはありません。
そんな私なので、もし同じ立場なら資産額がよほど心もとない場合でないかぎりはとりあえずFIREしてみます。
ただし、人の個性がそれぞれ異なるように、FIREに対する適性も人によって異なるとは思います。「自分がFIREしたら暇になるだろうから、できない」と語る友人もいます。
その後、ご相談者さまは「話してみて、自分はもしかすると、思っていたよりはサラリーマンへの適性があるのかもしれないと気づけた」といった趣旨のことをおっしゃっていました。
FIRE後の除雪や農業の動機はなにか
– 私のバックグラウンドを活かすうえでFIRE後どういうことをするのがいいか、穂高さんは除雪とか農業のモチベーションってどこから来たのか?
また穂高さんとお話をする中で自分の中でFIREのイメージをより具体的に持ちたい、インスピレーションをもらいたいと思っています。
除雪や農業は、もともと私は自然が好きで、そして人と接するのも好きということに加え、食が人間の根幹であり、自分で自分の食べるものを育てるという経験をしてみたいという思いがありました。
除雪は、雪国で雪をせっせと運ぶ単純な作業である雪かきをしていたのですが、除雪車で私が半日かけてやる量を一瞬でごっそり持って行くのを見て、単純にすごいなぁやってみたいなぁと思ったのがきっかけです。
これらも結局、単純に興味や好みに由来した行動です。除雪なんかたまたまです。もともとやろうと思ってたわけでもないので、ご縁ですね。目標や目算を立てることも立派ですが、結局思うに、いくら予想して目標を立てたりしたところで、ご縁や当座の好奇心というものは予期できません。
したがってFIREする前に、FIRE後の目標や夢が必ず必要というわけでもないと思います。心がおもむくままに素直に行動し、生きていれば、自然と当人に合う舟と出会い、望んでいた岸にたどり着いたような気がしています。
そのような人生を手にするためには、やはり自分の心に蓋をせず、素直に聴くことだと思います。
そして大好きという感情や、必要に迫られたり、強烈な負の感情があってはじめて強烈な原動力が生まれると思います。なまじ必要に迫られないそこそこ満足した環境では、人間なかなか現状維持にとどまるのではないかと思います。
FIREしてよいか迷っている
簡単に今の私の状況を説明すると以下のような感じです。
現在の私の状況:いつかはFIREしたい、でも本当にFIREしていいのかなっていう迷いがある状況
FIREしてよいか迷いがあるならば、まずはやはり迷う要素を書き出してみることが一案です。
以前テレビでやっていたのですが、「絶対に再婚したくない女性がいて、その女性と付き合っている男性が結婚するために、一つひとつ再婚したくない理由を相手女性に聞いて、一つずつ解決していった」というエピソードを見ました。
本件とは少々異なる話ではありますが(笑)、通底するものは同じだと思います。何かを決断するときも同様に、不安要素を書き出して、一つひとつ自分で答えを見つけていけばよいと思います。私にとってはブログが自分の思いを書き出す場でもありました。
一例として私はFIRE後をイメージするべく、夏季休暇などを契機にできるだけ長期休暇をとって、自分がどんな生活をするか客観視していました。いわばFIRE生活のシミュレーションです。そうやって一つひとつFIRE後の解像度を上げていくのもよいですよね。
続きとなる後編は明日投稿予定です。
関連記事