FIREしてから「競争」という概念について思うこと

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FIREしてから「競争」という概念について思うこと

FIREする前。サルの縄張り争いのように、ボス猿よろしく自分の立場が脅かされることをおそれてか競争心ゆえか、他者の足を引っ張る、ドラミングをする、そんな光景をよく目にしました。

ではFIREしたあとはどうでしょうか。その実、「FIREしたあともずっと競争する人もおるんやなぁ」と我が目で確認したことがありました。

つまり、FIREをして、世俗的なことからやや距離を置ける環境になったとしても「当人次第では、ずっと何かと戦い続けることになる」という示唆を得ました。

もちろん、競争には二面性があると思います。よい面は、克己心やモチベーションの向上につながることです。

一方、『#シンFIRE論』にも記しましたが、比較した時点で消耗する可能性は高いと思います。そして、競争は比較に似ています。なぜなら、なんらかの評価軸で比較し、優劣を決めることが現代における競争だからです。

たとえば、

  • 1番は偉くて、ビリはだめ
  • 勝利者は英雄で、敗者はだめ
  • 成功者は尊敬され、失敗者はふんづけられる

こういう基準をみなが信奉すると、常にだれかが劣等感に悩まされ、みじめな思いをすることになるのでしょう。なぜなら、すべてにおいて秀でることはおそらく不可能であり、たとえ今なにかに成功していても、いつだれかに追い越されたり、自分より強い人が現れるかわからず、冒頭のボス猿のように不安でおびえることになるのではないでしょうか(…★)。

FIREするしないにかかわらず、他人との優劣を評価軸として自己評価を下す人は、常に何かに追われているように見えます。

投資界隈でいえば、資産額やSNSのフォロワー数などが一例となるかもしれません。特定の分野で数字の比較や競争をしだすと、常に相対性の世界で生きることになります。それは(★)の状況につながりかねません。

補足

しかし難しいところでもありますね。実際、私たちが生きる人間社会も動物と同様、弱肉強食であり、競争社会でもあります。

競争を勝ち抜いてきた人からすれば、競争は至極健全に見えます。他方、競争に負けてきた人からすれば、競争は苦行そのものであるはずです。

自分は自分の土俵で生きている

私が昔から持っていた概念として、「自分は自分の土俵でいつも生きている」ということです。

会舎でよくあったのが、こちらは比較するつもりがなくとも、いつもだれかが土俵にお入りなさいます。いらっしゃいませ。

「お互いがお互いの土俵でそれぞれのびのびと生きればええのに、なんで入ってきはるんやろ。不思議やなぁ」といつも思っていました。

自分で自分の機嫌をとる方法のひとつは、「自分は自分の土俵でいつも生きているんだ」と思えるかどうかではないでしょうか。わざわざ別のボクシングリングに上がる必要はないと思います。だって、自分は世界に唯一無二の絶対的な存在なのですから、自分という絶対的な軸を持てばよいだけです。

FIREする効用のひとつは、「自分の土俵で生きやすい」ということです。平たく言えば、だれかがいきなり自分の土俵に入ってドラミングしてくることはほぼなく、他人の土俵を気にする必要に迫られる状況も減らせるでしょう。他者との比較という相対性の世界から、自分や家族という絶対性の世界で生きることが容易にもなります。

現代における競争

現代の教育は、個性を重んじるというより、学業や体育の成績という固定化された評価軸で人々に優劣をつけるもの、といった見方が可能です。これはこれで不思議な世界観だなぁと思うこともあります。

そうした世界では、主体性よりも、他者が決めた目的や結果に縛られがちなのでは。学生時代、成績が悪いことで劣等感を抱いた知人がいます。彼はほかに傑出した点があるにも関わらず、学校では「成績」という評価軸が幅を利かせるので、劣等感を抱いたそうです。これでは翼が折られてしまいます。

競争が吉と出るか凶と出るか、それも本当にある種の人生万事塞翁が馬なのだろうと思います。

以上、茫漠たる「競争」という概念に対して、岡本太郎氏の著書を読んでいてふと思うことでした。

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