日銀金融政策決定会合をひかえ、円高恩恵銘柄がどう動くか
今週の注目点はなんと言っても3月18日・19日に行われる日銀金融政策決定会合ですね。
今回も以下のような「リークっぽい観測記事」が日経で出ており、植田総裁就任以降このパターンが多いですね。
- 金融政策は正常化に向かい「金利ある世界」へ
- 新たな短期金利の誘導目標は0〜0.1%案が有力
- 中小の賃上げ率4.42%、物価との好循環見込む
日銀は18〜19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する見通しになった。2024年の賃上げ率は5.28%と33年ぶりの高水準となり、2%の物価目標を持続的・安定的に達成できる環境が整った。
【この記事のポイント】・金融政策は正常化に向かい「金利ある世界」へ・新たな短期金利の誘導目標は0〜0.1%案が有力・中小の賃上げ率4.42%、物価との好循環見込む日銀は18〜19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する見通しになった。2024年の賃上げ率は5.28%と33年ぶりの高水準となり、2%の物価目標...
なかば”金融当局の機関紙”となっている日経に先出しすることを、「市場との丁寧な対話」と言えば聞こえはよいですし、逆に「市場の反応を過度に気にしている」と言えば聞こえは悪くなるので、見方次第でしょうか。
個人的には市場を動揺させて波乱含みとなってよいことは(当事国目線では)何もないと思うので、事前にある程度メディアにリークして市場に織り込ませにいくのは一定の妥当性があるように感じます。
なお、Bloombergは日銀関係で某記者の「飛ばし記事」が多く、2023年12月にマイナス金利解除観測記事を出したり、さかのぼっては2016年にも市場が荒れる原因になっており、その正確性についてはかなり疑義ありです。なかば市場操縦に近いという見方もできると思います。
さて日銀のマイナス金利解除それ自体の実体経済への影響は限定的と考えています。というのも、マイナス金利解除といっても0.1%の利上げに過ぎず、かつ適用対象が日銀当座預金残高の5%程度。そして日銀は繰り返し緩和状態を継続することを明言しているので、額面通りにとるならば市場(とくに海外勢は日銀に対して反応がやや過剰な傾向。先般のように日本語の微妙なニュアンスを英訳する際の影響もありそうですが)がどう反応するかは別にして、実体的な影響は限定的と考えます。
とはいえ市場は思惑で動きますから、明日の発表をひかえ、今日と明日の前場で為替と日経、さらには円高恩恵銘柄がどう動くのか注目しています。
円高恩恵銘柄のなかでも、直近軟調に推移してきた以下銘柄です(セリアも円高銘柄ながら、すでに株価は上放れしているので注目度はさほど)。
- スカイマーク
- オープンドア
スカイマークは直近の月次搭乗実績もよいですし、増配余地が多少ありそうです。配当利回りは2~3%近く、空売り残高が積み上がっている機関は配当を払わずに済むように権利前に買い戻すケースも考えられます。
その場合このタイミングでやるのか、権利前にやるのか、やらないのか。そのあたりも興味深いところです。
オープンドアは北陸割という好材料をひかえ、いったん売り込まれたあとに明らかに大口の買い戻しが観測できます。その流れが続くのか注目しています。
投資行動
従来と同様、下落では買い下がり、反発で買値の高い玉から利確できるものは徐々にするかたちを想定します。
スカイマークは950~970円台の玉、オープンドアは600円台の玉が主としてあるので、それをコアとしてほかの玉はスイングするようなイメージです。
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