株は忍耐
個人投資家の観点では、今週は印象深い1週間でした。
昨今の日経平均は一部の値がさ株や大型バリュー株がけん引しています。
この2週間は日経平均が最高値を更新するなかで、騰落レシオ(下図)はむしろ低下しています。つまり値上がり銘柄数より値下がり銘柄数のほうが多い日が多かったわけです。
私もご多分に漏れず指数より劣ることが続いてきたわけですが、ここに来て少し取り戻せた感があります。「株は忍耐」という字句をこれほど念頭に置いた1週間はありません。
基本的に最近やっている戦略は
- 大型バリュー株は昨今なにもせずとも上がっていくので、それらは保有したままとしつつ、
- たたき売られているグロース株や中小型株を物色する
といったかたちです。
とくに決算の内容が悪くなくとも機関投資家が機械的に売っているであろう銘柄をねらっていました。
そのような銘柄は短期的に需給が悪化するので、個人投資家が手を出す際には注意を要すると思います。換言すれば、少なくとも株式になじみのない方は手出し無用とも言える銘柄だと思います。
しかしこの手の明らかに売られすぎのものに関しては下値は限定的であり、比較的高い確度をもってナンピンできます。
補足:ナンピンについて
一般に「ナンピンはすべきではない」というのが統一解のようですが個人的にはナンピンします。
短期的に需給が悪化している銘柄は、移動平均線(25MA)も上向いておらず、株価のV字回復もしにくい傾向にあります。
しかし銘柄を選別したうえで逆ピラミッディング(最初は少量の打診買いにとどめ、下がるにつれて買い増しを多くする)で買い下がれば、反騰局面で少なくない利益を得ることができます。
補足
ただしこの手法はメンタルと資金管理が必須なので、繰り返しながら一般に広くおすすめできる手法ではありません。
逆ピラミッディングをしている最中は一時的に含み損を抱えることもあるため、何度経験してもあまり心地よいものではありません笑。
しかしそういうときも「今は耐えどき」と自分に言い聞かせつつ、耐え忍ぶ。まさに忍の一字、「株は忍耐」。
今週の金曜はその忍耐が結実したような1日でした。
「楽して儲けられる」というイメージ
ときに株式投資というと「楽して儲けたあぶく銭」というイメージがあるかもしれません。
しかし手法によっては、むしろ忍耐と適切な資金管理と判断が必須です。
たとえば昨秋から底値買いに成功した銘柄群は、基本的に底割れの恐怖と闘いながら買いを入れ続けたことで、今の大きな含み益があります。
忍耐が結実した結晶が「利益」というかたちで表出したということです。
さらにはこの手の銘柄は業績と関係なく個人の逆指値・損切りをねらうような海外勢のおもちゃと化している側面もあり、彼らのアルゴリズムとの頭脳戦とも言えるでしょう。
インデックス投資ならば、なにもする必要もなければ手間もなく、ゆえに簡便です。一般的にはもちろんそれが最適解だと思います。
ただあくまで個人の嗜好としては、こうした忍耐や試行錯誤を経て自分なりに仮説を立て、検証し、失敗も経ながら忍耐が結実した瞬間はやはり一定の感慨があります。
それが今わたしが株式投資に取り組んでいる理由でもあり、個別株投資を一貫して続けている理由でもあるのかもしれません。