レバレッジ取引の真のリスクは、味を占めること
最近信用取引をはじめたわけですが、この手のレバレッジをかけた運用リスクとして主に以下が挙げられます。
- 過剰なレバレッジをかけて資産の大幅減少リスク
- 大暴落が起こることによる資産の大幅減少リスク
この2つのリスクに関しては、単純に過剰なレバレッジをかけない資金管理をすればよいので解法はシンプルです。
「そこはかとない不透明感」の正体
しかしレバレッジをかけた取引をやっていると、「そこはかとない不透明感」を感じるのではないでしょうか。
この「そこはかとない不透明感」の正体、そして「レバレッジをかけた取引によるリスクの本丸」とは、以下ではないかと思うのです。
- レバレッジをかけて利益を得ると、味を占める
「味を占める」というのは精神的な領域なので、冒頭のように「単純に過剰なレバレッジをかけないようにする」といった明瞭な解法がなく、不明瞭です。だからこそ「そこはかとない不透明感」を醸成するのかもしれません。
バフェット氏が語る「レバレッジの恐ろしさ」
そんなことを考えていると、さも天啓か、バフェット氏がレバレッジの恐ろしさについて語った言葉を目にしました。
レバレッジがうまくいくときは、利益が大きくなります。あなた
の妻はあなたを賢いと思い、隣人は羨望のまなざしを向けるでしょ う。 しかし、レバレッジは癖になるのです。この驚くべき手法でひ
とたび利益を上げた経験を持つと、ほとんどの人は保守的なやり方 に戻れません (『カリスマ投資家の教え』
川上穣著 日経ビジネス人文庫)
怖いのは、レバレッジで借金を背負うことではなく、むしろ味を占
納得感がありますね。
「味を占める」快楽に抗するには
陶酔感や高揚感などの精神的な快楽は、種々の競争を経て、今まで幾度となく味わってきました。1度得たらまたほしくなる、そんなふうに味を占めることに抗するには「慣れ」という経験が焦点でしょう。
何度も味わえば、「あぁ、こんな感じね」という慣れが生じてきます。と同時に、ときには「この陶酔感はあんまり追求するとキリがない(例:お金)」と察知する勘も醸成されます。
同様にレバレッジ取引も経験や失敗を経るにつれて、「リスクをとりすぎていない塩梅」を感覚的に覚えていくのではないかと思います。
関連記事
両端を知ると、ちょうどよい塩梅が見えてきます。
精神世界は単純な解法が存在しないからこそ興味深いとも言えます。